episode3 記念撮影

 相変わらず楽しそうでなによりです。そこの女子ども!いいから早く並べ!男子とか、先生とか、写真を撮る親とか、みんな待ってるだろ!周りをよく見ろ!


 はぁー、やっと並んだ。まって、これからこんな人たちと一緒なんだよね?え、無理なんだけど。こんな空気が読めなくて、動きがのんびりで、キャピキャピしてるの無理なんだけど。


 終わりだな。馴染めなくて、1年間過ごすんだわ。それで、他クラスに友達ができて休み時間ごとにその友達の教室に行くようになっちゃうんだろうな・・・


 はぁ〜〜〜〜(ため息)


 風つよ。写真なんて撮れたもんじゃないじゃん。髪はなびくし、スカートはめくれそうになるし。てか、もともと写真うつりが悪いのに、こんな有様で写真撮ったら、悲惨なことになるて!


 やめて!私のライフはもう、ゼロよ!


 ・・・・・はーい、とりあえず笑顔になっとこ。そしたら、雰囲気は良くなるでしょう。


「じゃあ、みんな並んだかな?では、撮影タイムでーす」


 地獄の撮影タイムが始まった。風よ、空気を読んでくれ。空気に空気を読んでって言っちゃった!


・・・

・・・・・

・・・・・・・


 ごめんて。すっごくつまらないこと言ってごめんて。お詫びは、なんかでするからさぁ。


 とりあえず、写真映りが悪いことは諦めよう!もう、どうにもならない!私にできることは、カメラ目線で笑顔でいることだけなんだから。


「撮りまーす。はいチーズ」


 よし、終わった!帰ろう!もう、帰ろう!


「お疲れ様でした。明日からの高校生活も頑張りましょう。では・・・解散!」


 終わったーーーー!帰りましょうかねー・・・・ん?女子が集まってるぞ?何かあったのかな?


「ねぇ、みんなでLINE交換しない?」


 うわぁ!これがJKか!?コミュ力の高さ、距離の縮め方がすごく上手いぞ。私には、到底無理だ。あと、スマホの使い方に慣れておられる。1ヶ月前に買ってもらった私とは違って、中学の時から持ってたんだろうなぁ。羨ましい!


 こうして、1年3組の女子のLINEグループが出来上がった・・・たぶん、そんなに使わないだろうね!


 そんなわけで、帰宅。の前に昼ごはん!お腹ペコペコです。お母さんが、近くのパスタ屋さんに寄ってくれた。私、パスタはホワイトソース派なのよね。考えただけで涎出てきた・・・


 注文をして、料理を待っている間に携帯でもいじってようかな・・・・・


 !?


 LINEに30も通知がきてる!?

(ダリアは、必要最低限の人としかLINEを交換してないので、LINEの友達が少ないのだ。なので、そんなに通知がきたことがないのである。現実にちゃんと友達はいるのでご安心を)


 あー、あれか。『初めまして!〇〇です!よろしくね』ってやつか。みんなよく追加するのねぇ。自分からは、追加しなくていいかなぁ。めんどくさいし・・・とりあえず、挨拶LINEしてと。


 あ、パスタきた。食べよ。


 あぁ!美味しい!麺に絡まっているクリーミーなホワイトソースが美味しい!入っている海老もプリプリだし、麺はアルデンテで、ちょうどお腹いっぱいになる!


 あっという間に食べ終わっちゃった。もっと食べたいけど、太るからやめましょう!だって、この後にデザートもくるしね!


 まだ見てないLINEを見ようかなー。はいはい。挨拶LINEはお決まり文句を返せばおけ。女子のLINEグループに結構な通知がきてる!ポチッとな。


 挨拶してるねぇ。わ!インスタのアカウント教えてるよ!きっと、女子力の高い投稿がされてるんでしょうね。私なんて、アカウントがあるだけだからね!ほとんど活動してませんよ!てか、何をあげたらいいのか分からん!マジでJKとして終わってる。


 ・・・・・めんどくさいからフォローはいいや。うん。


「お待たせいたしましたー。デザートです」


 やっとキターー!美味しそう!美味しそう!なんだこれ!サクサクのパイ生地に甘いクリームが挟んであるけど、いちごのソースが全体を調和してて、甘すぎず、美味しいケーキになってる!


 はぁ、至高のひととき。美味しかった!そして、ごちそうさまでした。


 さぁて、帰りましょうか。食べ終わったことですし。なんだかんだで疲れたことですし。


 明日からあのメンバーで生活していくと思うと憂鬱だけど、頑張るしかないもんね!

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る