第331話 奴隷はつらいよ~(涙)
ミィの奴隷紋は大腿の内側、足の付け根から股間に渡るような位置にあった。それを見せるためには、ミィは服を脱いで下着を晒す必要があったのだ。
ミィはもちろん拒否したかったが、「命令だ」と言われてしまえば奴隷の身では拒否する事はできない。頭で嫌だと思っても、隷属の魔法の強制力で、身体が勝手に命令に従って動き始めてしまう。
ゴードン 「なるほど、確かに
服を脱ぎ、下着姿で脚を開いて見せる
下着姿の少女の股間を覗き込む中年男も十分下劣であるが。
しかし、内腿の最上部にある奴隷紋は、ミィの大きめの下着のせいで隠れて端が見えるだけであった。
ゴードン 「よく見えないな。ちゃんと見せろ」
そう言われてミィは、悔しそうな顔で下着をめくりあげる。際どい部分まで見えそうになるが仕方がない。
ゴードン 「ダメだ、よく見えないな」
ミィ 「これ以上は……」
ゴードン 「何を躊躇っている? いつもやっている事だろう?」
奴隷紋はもう大半が見えているはずであるが、ゴードンは意地悪く言うのであった。
実は、奴隷ギルドのエージェントの間で、ミィの奴隷紋を見た事があるというのは密かなステータスとなっていた。どのような紋が刻まれているのか、見た者しか分からない。それを見た事があるエージェントは酔っ払ってそれを自慢げに話したりするのだ。見たことが無いものは話に頷くしかできない。
ゴードン 「下着も取ってちゃんと見せろ、命令だ」
顔を背けているのでミィの表情はよく見えないが、相当屈辱的であろう。だが、奴隷であるミィの身体は命令に従い動き出す。
下着を脱ぎ、ふたたび脚を広げて見せるミィ。奴隷紋の全容と、ミィの恥ずかしい部分が全て丸見えとなっている。
それを見たゴードンは堪らなくなり、思わずミィをベッドに押し倒した。
ゴードン 「抵抗するな」
一瞬身体を固くし抵抗しようとしたミィであったが、命令されてしまえばもう逆らう事はできない。ミィは “奴隷” なのだから……。任務中は、担当エージェントが上司となる。つまり、今はゴードンが仮ではあるが “主人” なのである。逆らう事はできない。
実は、仕事を担当したエージェントに身体を陵辱されるのは、ミィにとってはよくある事であったが、だからといって慣れるものでもない。毎回、涙を流しながら屈辱にただ耐えるしかないのであった。あとは、せめてゴードンが異常な性癖を持っていない事を祈るのみである。
この世界では多少の怪我はポーションや治癒魔法で治ってしまう。それを逆手にとって、中にはミィの身体を傷つけることに喜びを感じるような変態も居たのである。さすがに殺されるような事はいままでなかったが、かなり酷い目にあった事はあったのだ。
ミィは、一切の
普通は、例え奴隷であっても何をしても良いというものではない。むしろ、奴隷を虐待する事は厳しく法律で禁じられている。
奴隷にどこまでの事を許容させる事ができるのかは、奴隷契約の内容によって決まってくる。
性行為までOKにしたほうが借金の返済は早く終わる事が多いので、割り切って主人の寵愛を受け、借金返済を早く終わらせる選択をする女奴隷も多い。
だが、多少返済期間が長引いても性行為NGという契約にすれば、主人が
またもちろん、奴隷の肉体を傷つける行為も禁止されている。破ればやはり奴隷落ちである。
だが、そのような制約を一切課さない、何をしても(命じても)良い、完全な隷属も、技術的には可能である。実際、重犯罪奴隷や戦争奴隷(捕虜奴隷)などで、そのようなノーリミットの奴隷にされる例はある。要は、奴隷落ちが死刑を超える刑罰という位置づけになっているのである。
ただ、借金奴隷の場合は、ノーリミットの隷属は違法となっている。…なっているはずなのだが……
隷属の契約魔法を行う側である奴隷ギルドが直接購入し契約するのである。仮に、違法な隷属契約をしたとしても、まずバレる事はないのである。
隷属契約の内容については一切口外しないように厳命されているので、奴隷本人から漏れる事もない。
ミィは借金奴隷であるにも関わらず、半ば騙されるような形でノーリミットの奴隷契約にさせられているのであったが、借金は事実であり、どうしようもないのであった。その代わり、借金の返済についてはかなり優遇されてはいる。一生かかっても返せないような額の借金の返済が、破格の短期間で終わる事になっているのである。何年間か働けば、ミィは自由の身になれるのだ、それだけが救いである。(それも、生きていられれば、であるが……)
任務においてミィを使う事が許されたエージェントは、任務の間、一時的にミィの仮の主人となる。ミィがリミットなしの完全奴隷である事はエージェント達には知れ渡っている。若く美しいミィを自由にできるとあって、男性のエージェント達は(中には女性のエージェントも?)みなミィを使いたがるのだった。
本部としては、任務さえ遂行してくれればエージェントがミィをどう扱おうと問題にはしない。もちろん、傷つけたり死なせてしまったりすれば処分を受ける事になるが、しょせんはギルドの備品を破壊したと同様の扱いでしかない。上司からのお叱りと、損害分の賠償義務を負うだけである。(場合によっては自分が借金奴隷に落ちることになるので、そうそう無茶はしないのが普通であるが。)
仮にエージェントがミィの派遣を希望したところで、必要もないのに許可される事はないのだが。ミィを使う事が妥当な任務だと本部が判断した場合のみ、ミィの使用が許可される。実際にはミィが派遣されるケースは多くはないのであった。
だが、今回は試しにダメ元で出したゴードンの要請が通ってしまった。リューの件は、奴隷ギルドの中で “最重要案件” となったためである。
ゴードンにとってこれは予想外の美味しい誤算であった。ただ、ミィの派遣が許可されると言う事は、それだけ難しい仕事である事も意味しているので、緊張もあるのだが。
とりあえず今は、役得だと割り切って、ゴードンはミィの身体を楽しむ事にしたのであった。
* * * *
翌日の早朝。ミィとの情事を一晩中楽しんだゴードンは夜明けのコーヒーを飲みながらマドの外を眺めていた。
すると、通りを歩くリュージーンの姿が見えた。
リューは気まぐれに、早朝、街の散策に出たりする事があるのだ。
― ― ― ― ― ― ―
次回予告
リュージーンをナンパせよ
乞うご期待!
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