第297話 まずは受験資格の確認から

キング 「簡単に言うな。その前に、まず、試験を受ける資格は満たしているか?」


リュー 「資格?」


キング 「基準はシンプルだ。(受付嬢のほうを向いて)説明してやれ」


受付嬢 「はいこちらがランクアップ試験の受験資格はポイント制になっています。こちらが一覧表です」


受付嬢が表を取り出して見せてくれた。


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ランクアップ試験受験資格

Eランク:百点

Dランク:五百点

Cランク:千五百点

Bランク:五千点

Aランク:一万点

Sランク:十万点

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受付嬢 「ポイントは、依頼を達成したり、魔物の素材を納品したり、その他ギルドに貢献したと認められた時に付与され、ギルドカードに記録されていきます。


与えられるポイントは、依頼の難易度や素材のランク、貢献度の大小で変わります。


さらに、点数制だけだと偏りが出てしまうことを防ぐため、各ランクごとに条件が設定されていまして、その詳細がこちらになります。

この資料はお渡しする事はできませんが、いつでも聞いて頂ければお答えいたします」


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◇Eランク受験資格

1.基準点以上のポイントを取得している事

2.薬草の採集依頼を十回以上こなしている事

3.薬草以外の素材の納品を三回以上している事

4.依頼達成件数が三十回以上ある事

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最も簡単な依頼(街から出ないで雑用等の依頼)をこなすと1ポイントから貰えるらしい。薬草採集は3ポイント。街から出るという事は魔物に襲われる危険性が高くなるためポイントが高くなる。希少な薬草や危険な地域に採集に行く必要がある依頼はさらにポイントが高く設定されていく。


薬草採集よりも魔物の討伐依頼のほうがポイントは高くなり、また倒した魔物のランク、素材の納入の場合もその魔物のランクによってポイントが変わってくるそうである。


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◇Dランク受験資格

1.基準点以上のポイントを取得している事

2.ギルドの依頼達成で百点以上のポイントを取得している事

3.魔物の討伐依頼の達成で百点以上のポイントを取得している事

4.魔物の素材納品で百点以上のポイントを取得している事

5.護衛依頼の達成で百点以上のポイントを取得している事

6.犯罪者の討伐依頼達成または戦争参加の経験、またはそれに準ずる経験がある事

7.上記以外の内容のギルドへの貢献度によるポイントを百点以上取得している事

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Eランクの受験時に百点以上ポイントを持っているはずなので、その他の条件をクリアしていれば自動的に五百点はクリアできる計算である。


Eランクに比べるといきなり厳しくなっているが、Dランクともなると冒険者として一人前と認められるようになるので、それなりの経験と実力が要求されるのである。


また、細則条件6は明示されていないが実は人を殺す経験をしている事が求められている。戦争や討伐依頼に参加しても、殺さずに捕縛して終わってしまったりすると受験が認められない場合がある。


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◇C・Bランク受験資格

1.基準点以上のポイントを取得している事

2.無詠唱で魔法が発動できる事(魔法王国ガレリアのみの独自ルール)

3.その他、ふさわしい実力と実績があると認められる事

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Cランクとなるとベテランと認められ高い信頼が得られるレベル、Bランク以上は達人、さらにAランクは国宝級と認められるレベルとなる。そう簡単には取得できないランクなので審査もかなり厳しくなる。


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◇Aランク

1.基準点以上のポイントを取得している事

2.貴族からの護衛依頼を達成している経験がある事

3.貴族からの依頼を達成している経験がある事

4.貴族からの推薦があること

5.その他、ふさわしい実力と実績があると認められる事

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Aランクとなると、貴族からの依頼を受ける事が多くなるため、明示されてはいないが礼儀作法なども要求されるようになってくるとの事である。貴族に嫌われれば推薦状が貰えないという事になるので敬語や礼儀作法などもできないと難しいのだそうだ。


受付嬢 「条件をクリアした上で、試験を受けてもらう事になります。試験内容は、


 ・模擬戦

 ・筆記試験

 ・実績確認

 ・人格審査 


となっており、これは各ランク共通です。」


リュー 「その、ギルドポイントというのは国ごとなのか?」


受付嬢 「いえ、国を越えて、世界共通です、冒険者ギルドは国とは別の世界的組織ですから」


リュー 「俺は冒険者になってもう5年になるんだが……考えてみたら、薬草の納品はかなりやったが、それ以外の素材の納品はほとんど商業ギルドにしていたから、冒険者ギルドへの納品はほとんどしてないかも知れないな……


それと、ミムルの街での実績はない事になっているんだったか?」


受付嬢 「ギルドカードを見せて頂ければ、現在のポイントがどれくらいか確認できますが、やってみましょうか?」


リューは自分のギルドカードを取り出して受付嬢に渡した。


受付嬢 「お預かりします、少々お待ち下さいね……」


受付嬢が魔導端末にカードを差し込んで操作する。


リュー 「考えてみたらギルドカードなんて街の入退場以外に長らく使った事なかったな。色々な情報が記録されてるんだよな、銀行口座みたいな機能もあるんだっけ?」


受付嬢 「これは!!」


キング 「どうした? 何か不正でもみつかったか?」



― ― ― ― ― ― ―


次回予告


キング 「俺が最高位の冒険者だ」

リュー 「現役なのか、じゃぁアンタに相手してもらおうか」


乞うご期待!



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