第254話 光の剣を使えば気分はSF映画
ナルダー 「ここでは善悪は俺達が決めるんだよ、俺達がそう決めたなら、お前が悪なんだ」
リュー 「救いがたいな。ならば手加減はしない。死にたい奴は掛かってくるがいい」
リューはいつの間にか持っていた三十センチほどの円筒形の魔道具に魔力を込める。すると、その筒の先から光が棒状に伸びて1mほどの長さとなった。リューが地球で好きだったSF映画「スターバトル」に登場する
実はリューは、不死王にライトソードを作れないか頼んでいたのだ。それがようやく昨晩、届いたのである。どうやって実現したのか、構造はよく分からないが……不死王もリューのリクエストする性能を持たせるのに多少手こずったようで、少し時間が掛かったのであった。
ぶっちゃけてしまうと、
ライトソードはリューの
ナルダー 「コケ脅しだ! 魔法がダメなら武器で一斉に攻撃しろ! 相手は一人だ!」
練度が高いと言う事は、組織化がしっかりしているということ。
組織化が強固であるという事は、命令系統が明確で、命令に無条件で盲目的に従う傾向が強くなると言う事である。
兵士の敵前逃亡が全滅に繋がるような軍隊のような組織では、強力な組織化は仕方がない事なのだが……その場合、上司に正しい判断力がなければ不幸な結果が待っている事になる。
災害級の相手に玉砕命令を下してしまう上官の下についた兵士達は不幸であるとしか言えない。
上官の号令で、武器を構えてリューに襲いかかってきた者たちは、ライトソードを手に
ライトソードの威力はリューのリクエストした通りであった、触れたものがまったく抵抗なく切り分けられていく。
実は目標を切断するだけならば次元斬でまとめて斬り飛ばしたほうが効率が良いのであるが、それでもあくまでライトソードを使うのは見た目の問題だけであり、リューの拘りでしかないのだが。
バッタバッタと警備兵は斬り伏せられ、気がつけば、残るはナルダーとコモイだけとなっていた。ナルダーは警備隊の隊長、コモイは昨日リュー達に高額の入場料を吹っかけた衛兵(班長)であるが、リューは意図的にこの二人を残したのである。責任を取らせ、キッチリと地獄を見せて後悔させてから殺すためであるが……
そこに一人の女騎士が駆け込んできた。
『やめろ! 何をしている?!』
後からもう二人騎士が駆けつけてくる。女騎士の護衛のようだ。
女騎士は警備兵達が血の海に倒れている状況を見て絶句した。
女騎士 「これは……お前がやったのか?!」
剣を抜いてリューに向ける女騎士。
リュー 「正当防衛だよ。こいつらが俺の連れの女に痴漢行為を働いたんで、止めたらコイツラに襲われたんだ」
女騎士 「何?!」
ナルダー 「黙れ!」
ウィンドカッターを再び放ったナルダー。
女騎士 「おい!」
だがその攻撃をリューは収納してしまう。そして…
リュー 「返すぞ」
収納した風刃をナルダーに向けて再び解放するリュー。予期せぬウィンドカッターの返品にナルダーは対処できず。あわれ、ナルダーの首は胴体と別れ別れになってしまった…。
女騎士 「これは、
リュー 「警備隊? 賊の間違いじゃないのか? 賊に乗っ取られた街なら退治してやる必要があるだろう」
女騎士 「な、彼らは街の正規兵だ」
リュー 「あんたは誰だ? 俺はリュージーン、Fランクの冒険者だ」
女騎士 「私は近衛騎士団第二中隊の隊長ブリジット・コンステルだ」
リュー 「近衛騎士団? この街の騎士ではないのか?」
ブリジット 「ああ、この街の治安が著しく悪化しているという告発を受け、王命により調査にきていたのだ……」
リュー 「ああ、警備兵が
ブリジット 「……何人殺したんだ? ここまでする必要があったのか?!」
リュー 「俺は理不尽に殺されそうになったから身を守っただけだぞ。コイツラは法外な金を要求し、女を差し出すよう要求し、それを断ったら大勢で殺そうとしてきたのだ。
それとも、理不尽な要求を飲み、家族が辱めにあうのも黙って見て耐えろと、それがこの街の正義だと言うのか?」
ブリジット 「それは……
…お前の主張は分かった。だが、この状況では……お前の言葉が真実であるという証拠もないから判断できないな」
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次回予告
不死王「甘いのう」
乞うご期待!
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