02 告白連撃(3日間)
「てんちょおおお」
大学生。女性。
「またですか?」
「3日お願い」
「3日。今回は長いですね」
「めちゃくちゃ仕込んだのよ。もうこれ以上追い詰められないってところまで追い詰めたの。あ、これもしかして」
「はい。報酬として聞きますので、どうぞそのまま」
女性の、男性に対する馴れ初め。
「で、ご両親を説得して」
両親の説得から始まり。
「新薬治験もなんとか取り付けて」
医学部オーバーロードをしながら製薬会社の外注と協議して合同チーム作って。
「ちゃんと薬で治せるってところまで来たの。来たのに」
告白して振られる。
「振った理由は?」
「そう。それよ。それが問題なのよ。僕とあなたでは釣り合わないって、何?」
「ああ」
たしかに。病でただ座して死ぬのみだった人間が、急に助けられて、その上で告白されたら、釣り合わないとは思うかもしれない。
「報酬こんな感じでいい?」
「大丈夫です。3日戻したら、全部最初からやり直しですが、それでも?」
「それでも。一回成功したんだから、もう一回行けるわよ」
「では、私からアドバイスを」
「え。追加報酬目当て?」
「その好きなひとも、合同チームに入れてしまいなさい。被験者ではなく、チームの一員にしてしまえば、罪悪感は減るでしょう」
「あ、そっか。いいねそれ」
「うまくいったら追加報酬で、付き合いはじめのラヴトーク聞かせてくださいね」
「うわあ、まあ、仕方ないか」
「3日戻しました。健闘をお祈りします」
「よっし。行くか」
大学生。元気なものだ。
好きな人に対して一途。そんな時期も、あったような気がする。それを、時間の果ての、遠い日々のように感じてしまう、切ない自分も。ここにいる。
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