一人
僕はずっと、仲間外れだった。
一年の頃から、クラスメイトの連絡先は誰一人として知らないし、行事の打ち上げなどにも参加したことがない。
ただ僕はずっと一人で勉強をしていた。
でも、三年になってから、みんなも勉強をしだした。
すると、僕も勉強をしているはずなのに、なぜか一人だけ違うことをしているような感じがしてならなかった。
同じことをしているはずなのに、仲間外れだ、ということを突きつけられ続けていたような気がする。
それは、僕が「受験勉強」をしていなかったから、というのが根本的な原因なのかもしれない。
けど、その時はそんなことはどうでもよくて、とにかく早く卒業をしたいという風に考えていた。
みんなが勉強を熱心に取り組みようになってから、僕はあることに気づいた。
みんなは、明らかに変わっているのだ、と。
そして、僕だけが変わっていない。
僕だけが、三年生になりきれていない。
僕はずっと、このまま時間の隙間に閉じ込められたままなのだろうか。
ずっと、ずっと。
ある日、僕は考えるのをやめた。
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