第17話 死んだ目


死んだ目をした友達が、

こちらを振り向くことはない。


屋上の上は青一色。


ひたすら空だけ見上げてて、

目の色はすでに濁ってた。

ひきつるような笑い方、

ゆるみきった口元と

水を流す眼球は

ただひたすらに

上を見て、

何も言わずに

震えてた。


今にもフェンスを越えそうで、

越えたとしてもおかしくなくて、

想像してから怖くなった。

何も言えずに後ろから

僕が背中を見ていたら、

押してくれよと呟いた。

僕が慌てて顔をあげたら、

いつものように友達は、

すぐに嘘だと取り消した。

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