第6話 愛

大好きだ!愛してる!

連呼して連呼して抱きしめて抱きしめて抱きしめたい!


突き出した両手は空を切り、叫んだ愛の言葉は隣人の恐怖をあおる。


いいじゃないか!いいじゃないか!

愛しているものを愛していると、大好きだと。


声高らかに叫んでも、罪にはならないと信じてる。

誰の目には見えなくとも、確かに存在は感じてる。

誰の耳に聞こえなくとも、確かに言葉を聞いている。

誰も信じてくれなくとも、自分は自分の愛を信じてる!


大好きだと言って、愛してると言って。

信じるよ。疑わないよ。疑えないよ。

だから、好きだといって!


一回でもいい。二回ならもっと嬉しい。三回ならもう死んでもいい!


見えない聞こえない感じない。三重苦がこの愛を阻もうとも。

自分が、見えてるから聞いてるから感じてるから!

信じてる信じてる信じてる!

だから、好きだといって!


本当は知っている、分かっている。理解している!

でも大好きで大好きで大好きで愛してる!それだけで、すべてがどうでもよくなる!

愛ってそんなものでしょう?

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