口上
曰く、生命を賭した大勝負に言葉は要らずと。
曰く、自らを燃した剣術に翳りなぞ有らずと。
曰く、何時如何なる剣戟であれど手加減は要らずと。
互いの鋒が互いを捉えている。
一撃必殺、長刀一閃、過去の技々数あれど。
天下泰平、安寧秩序、此度の時流に其れは不要ず。
さりとて剣はここに有り。
戦乱潜りし我が流は、時とて流せぬ不動と成りて。
絢爛極めし世であれど、此れ輝きて陰りを知らず。
いざ。
尋常に。
……此れは、ただ一刀にただ弌つの人生を捧げ、ただ剣戟に散るを是とした、ただ愚かでただ美しい、ただ名も残さず散った人間の、其の生の一幕である。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます