24話

亜也が乱暴にドアを開くと、黒の油性ペンで大きく 「中川」 と書かれた薄汚れた上履きと細い足首が見えた。

「中川」 はびくりと肩を震わせた。

肉食獣にターゲットにされた小動物のような目をしている。


「あ、あのそんなつもりじゃ…」


「何の用があって私達について来たのかしら。…あなた、1年の中川弘子さんね。ストーキングは嫌われるわよ?」


「…尾行したことは謝ります。私は吉本先輩に用があって来ました。」


「私に…?弘子ちゃん、どうしたの?」


普段はふわふわとした世界観で不思議な発言を繰り返す弘子だが、その瞳はしっかりと亜也を捉えている。


「先輩、このままじゃ死にますよ。」

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