吉本真央 ④

「本当?弘子ちゃん、教えて!」


「えへへ!えっとねー、さのせんぱいは、」


何か言いかけた弘子を遮るように、突然現れた神学の岩白先生が言う。


「弘子、もう授業が始まるから自分のクラスに帰りなさい。真央はすぐ席に着くように。」


「は、はい。すみません」


ふんふんと鼻歌を歌いながら階段を降りる弘子を横目に、私は岩白先生と共に教室に入った。

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