ラヴ・ラグランジュ2-29

 さて私は普段からミステリーだのSFだの読んでるのですが、そこに恋愛小説のような淡い恋や燃える逃避行というものはあまりないので、ここから語るは書店で恋愛小説を眺めては自分こういうの読んでもキュンキュンできないからなぁと言っては店を出る、つまらん男の偏見と想像によるものです。


 恋愛小説においては二つほどその設定に特徴があると考えております。

 まず一番定番なのは学校や職場など主人公の身近に存在する誰かと恋に落ちて恋愛へと発展するパターン。

 もう一つは特殊な設定や現象が含まれるパターン。

 私の知っている限りだと、一度死んでもう一度人生をやり直すチャンスを得たり、人間ではない架空の存在と恋したり、実は操られていただけの噓の恋心だったりと色々あると思います。

 こうした特殊性はその物語において展開される恋愛の障壁となったり、つらい決断を迫られるきっかけとなったりと必ずどこかで活かされるので恋愛小説を書くときの手段として定着していると思います(実際のところはよくわからないです)。

 

 こうした物語をつくるうえで(おそらく)難しいのはその特殊性をいかに日常になじませ、目立たなくさせるかではないかと思います。

 恋愛を楽しむ主人公よりもそのまわりの設定の違和感に意識が向いては、恋愛小説は楽しめません。もちろんそんな設定うんぬんよりもイチャイチャして、あはんうふんする所をいっぱい書いていれば誰も文句は言えんだろう、という正面突破も悪くはありませんが、私は主人公に共感して


 「そうなんだふ~ん、でも今日は楽しいデートだね。あ、やばいめっちゃ緊張する。ハ~どうしよ・・・」


 という風にですね。

 飛ばされた麦わら帽子が波にのせられて遠くへ、遠くへと流されていく、そんな優しい心の奪われ方をしたいものです。

 つまりこの作品に私はとんでもないものを盗まれてしまった、ということです。


 ネコパンチ♡


 

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