第16話 暗黒騎士、暫しの平穏

偶然か、はたまた運命なのか後の勇者の仲間が小さな村に集い、

各々がその未来も知らぬままに日々を過ごしていた。

というか少年以外は年端もいかぬ3歳児なので理解してる方が怖い。

生前の記憶を保持した転生者とかは出てきませんので悪しからず。


そうしてあっという間に5年の歳月が過ぎた。


その間にも暇を持て余してる暗黒騎士と弟子と勇者幼女の三人で路上整備したり、

野盗のねぐらを潰したり、漁の邪魔をするクラーケンを討伐したりしてるが、

キリがないので割愛。

大体暗黒騎士が一撃で片付けました。


勇者幼女が5歳になる頃には暗黒騎士は夫人に頼み込み、自身の剣技を幼女に教える許可を得る事は出来たが、それと同時に子供らしくキッチリと遊ばさせる事という約束もした為、ご近所さんになった没落貴族妹と勇者幼女の御飯事に混ざる暗黒騎士という最低最悪の絵面が暫くは村の名物になったりしていた。


そうして育てられた勇者幼女は6歳を超える頃には自分より年上の子供をちゃんばらで普通に打ち負かしたり、かけっこで周囲を置いてけぼりにするほどの俊足を見せたりと徐々にその才能を開花させつつも素直で朗らかな性格へと育っていた。

基本的な情操教育を担ってるのは暗黒騎士なのにである、暗黒ってなんだ。


ちなみに、この時点でこの位の事は「平穏」の部類に当てはまる次第なのであった。


勇者歴8年(春):勇者、その片鱗を見せ始める。

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