第27話【愛されなかった窓辺、その日、果たされなかった願い】を褒める

愛されなかった窓辺、その日、果たされなかった願い

https://kakuyomu.jp/works/1177354054922654456


 よくあるのですが読む時に全ての文章を覚えて把握できてることってまずなくって、頭から順番に読み進めていってるのに、あれ? どうしてこうなったんだろう?

 となることが時々あります、しかも今回のお話はまとまっていて読み逃すこともないように思えるのに、ですがその理由も分かるのです、要は二つの意味がある言葉が用いられてるという具合です。

 この物語は読者が与えられた情報の印象から推理する時、僕の場合は喪失感が先んじてありました、なのでその印象で登場人物のセリフを読んでいった時に話と話の幕間で起きたこと為されたことが喪失に関係するものだと考えてしまい、読後感であれ? となったわけです。

 こういう読んだ時の展開に戸惑うことって時々、起きますし、あえてそのあたりをミスリード(?)する作品というのも存在します。

 ただこの作品はお話を構成してる文字数が適量で、誤読させるために大量の文字を使うことなどもせず、ただひとつの部分に焦点を絞って組み立てられてる。

 けれど自分の頭の中では二つの結末がよぎる。 どこにも片方が書かれてる様子はないというのに。


 タイトルの選択も効いてるからかもしれない、何にしても言えることはたった一つの言葉にもとてつもない意味が宿るということ。

 そしてその後の展開までどちらの意味に取ったのか? どちらの意味で言ったのか? この部分で悶々として結末の部分で思わず、読み直さなければとなりました。


 結果としては読み飛ばしていたわけではなく、含みが効くように書かれていたという具合です。 これはかなり遅効性の一撃を喰らったようで、しばらく身動きが取れない。


 こういう作劇が出来るのも文章を絞ってあるからか、それとも削ぎ落した結果なのか、何にしても多くの人の中に僕と同じような感覚を味わう人がいたら、また話してみたい、一作でした。

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