第12話【殺し屋は忘れた頃にやってくる】を褒める
殺し屋は忘れた頃にやってくる
https://kakuyomu.jp/works/1177354054918062508
お話の始まりから割と、不穏な具合なのか、何にしても身の上話というものはそうそう出来るものでは無いし人にそこまで長く聞かせる意味を考えた時、
その話が相手の関心事でありかつ話せるだけの余裕が話し手にあるということ、
まずそこまで最初の段階で考えが及んでいないので、序盤の話だけ聞いていると迂闊さや失敗談に近いものなのかとか、殺し屋が足を洗うってなんなのか分からなかったりしたのですが、ただ読み終えた今、納得出来た具合です。
足を洗うには根本の解決に至らなければならない具合からして、この話が成立する条件というものが実ははじめっから決まっていたこともありますが、何にしても話の構成が上手く、全て体験と絡めてひとつひとつ成長に結びついていることから、話のはじめとおわりのあたりで主人公に対する評価ががらりと変わる。
なんとも魅せる構成となってるという具合で、同時にこれはその道をいくものが伝説と呼んで差支えの無いフットプリントを確かに残した瞬間をとらえているので、劇的に格好良くなるタイミングってのを心得てるなと分かるんですよね。
そして全体の流れから気づくのは信用に足りる語り手ととして物語自体を完全にリード出来てる、話の内容自体は理不尽なものであったりするのに、冷静にひとつひとつを語れる強さ、物語自体が話し手の強さになって表れてるのだと読み終えてから気づいて、ああ、これだから読みやすかったのかとも思えました。
殺し屋が足を洗うとはどういうことなのか、そのことの答えがこれにあったように思えて、自分の中で一つの定番みたいにすっと頭の中の本棚に収まったのを感じます、読みやすく、かつ読みやすい理由も筋が通ってる、そして筋も通す、格好良く決まる。
頭の中で反芻してかみしめたくなる構成の上手さに感服です。
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