第6話【祈り】を褒める

 表にある看板はテンプレよりも王道でという具合でもありよくある異世界転生もののカウンターに見える、この看板を見たときに感じたのは割とネタに走ってるのかとおもったものの、そんなことはない、物語自体は至って王道である。

 そして物語を成立させる最小単位をよく心得ていて、ノイズとなるスキルやチートなど様々なゲーム要素から恋愛などものぞいてひたすらシンプルに研ぎ澄ませた結果、人間の根源的な部分、頭の中に思い描いたファンタジーでも最高潮の部分に没入することになる。

 ただひたすら、受け入れられない異世界のことに反応する主人公の心と葛藤が丁寧に等身大で描かれてる様は好感が持てて、また主人公の人となりだけに頼るのではなく異世界の風合いをその身をもって体験させるところが嬉しく、またあまりにも現実から乖離した英雄譚ではなく手が届きそうなところにある、強いて言うとその人の意思さえあれば使命を全うできそうなバランス感覚も心くすぐられて、どんどん読み進められました。

 ちょうど、ラストの話の更新前に読んでしまったのでどう転ぶのかワクワクしておりますが、皆さんにはぜひ、これを機にカクヨムバトル24時に投稿されてる”祈り” を共に読み遂げてほしい。

 勇者に必要な素養を教えてもらえたような、不思議な読書体験を味わえますよ。

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