640グラムの人生と囚人420番

@yosuga_49

1.

こわい神様が僕だけを

線路に突き落とす

憐れな夢に取り憑かれているのは

僕だけじゃないはずなのに


手を伸ばした先には

楽園が用意されていた

いや、無意識に

探し求めていたのかもしれないし

用意したのは神様かもしれない


そこは

とても黒々とした

混沌を纏っていながら

僕の知る何よりも

魅力的な光を放っていた


まだそこに足を踏み入れていないのに

そこは何も見えない程に暗いことが

何故か僕は理解出来た


何も見えない、何も

目の前も、足元も、自分の手すらも

何も無い、何も


ただそこには

溢れんばかりの多幸感が

こちらを視てにんまりと

笑みを浮かべて居ること

それだけが判る


僕をホームへと突き返すのもまた

へんな神様なんだろう

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

640グラムの人生と囚人420番 @yosuga_49

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る