【第二節】学校一の美女だろうが私のお兄ちゃんを振るとはいい度胸じゃない~義妹とはあくまで偽物の恋人であって本物ではないはずなのだが、妙に色々とリアルなのはなぜ~
第13話 わからないことなんて沢山ある
第13話 わからないことなんて沢山ある
なんでここに白雪がいる? 聞かなくても何となく想像がつく。
白雪の後ろにいる二人の関係性を考えれば別に不思議なことじゃない。
た、ただ、タイミングが悪すぎるだけ。
ここは平然を装うしかない。
「あ、えっとー……七海今日はいつもより綺麗だな」
俺は何を言っとるんじゃぁぁぁぁぁぁぁぁ。
誰も本心に素直な感想を言えと言ってないだろうが。
あーヤバイ。白雪にドン引きされそう……。
頼む、今のはなし……え? うそ? どうしたの?
「う、うん、ありがとう……」
いつもとは違う白雪に俺はドキドキしてしまう。いつもは制服姿で見なれている白雪が今日は私服。それも膝上までの黒のスカートにストッキングを履いておりいつも以上に綺麗な足。視線を上に向ければ、白いシャツに薄化粧をしているではないか。それにいつもはある刺々しさがなくなり、表情が全体的に柔らかく照れているのか微笑みながらお礼を言ってくれた。
(……めっちゃ、可愛い。これは反則だろ)
なにその破壊力。俺の理性と言う名の城の城壁が一瞬で粉々になったよ。しかもさり気なく俺の近くに来て座ったかと思いきや、肩にかけていたハンドバッグを置いて手をもじもじさせるってそれ反則だよ? しかもクラスの男子見ていたらわかるんだけど、他の男子に対しては興味がない、仲良くする素振りすら見せない、氷の女王様がこれって……ズルいだろ。それに俺の心臓は本当に正直らしく鼓動を早め、気づけば緊張で手汗がヤバイ事になっていた。
――だけどそんな気持ちとは別に、正直なところ、俺は白雪と話すのに今は抵抗感がある。とりあえず近くに合ったティッシュペーパーを一枚手に取り、手を拭きながら、さり気なく平常心を意識して話しかけてみる。
「そ、それでどうしたんだ? 琴音の家に来るなんて、め、珍しいな」
水巻だけならともかく白雪がこうして琴音に家まで会いに来るのは珍しい。と言うか白雪と琴音ってプライベートで会う程仲良くはないはずなんだが。まぁ普通に考えて水巻と琴音が仲が良い、そして水巻は白雪とも仲が良いと言う事を考えれば俺が知らないうちに仲良くなっていたのかもしれない。それか琴音が昔俺に嘘を吐いていたかの多分どちらかだな。まぁ学校一の美女と同じく学校の美女が友達って普通に考えてかなりの話題になるからな。
「う、うん。実はね――」
白雪が緊張しているのかチラチラと俺は見て視線を外して深呼吸を始める。
そしてそれを見ている俺まで異常に緊張してしまう。
さり気なく亜由美たちの方に視線を向けると、全員が何かを見守るようにしてこちらを見ていた。
(水巻これは?)
俺が目で訴えると視線を逸らされてしまった。
「ちなみに七海は住原君に一度振られてる」
「うん、昨日SNSで知った。てか小町が見てって言ったじゃん」
「私もお姉ちゃんに言われて見ました。ならあれは本当だったんですね」
「なんかあれはあれで絵になっていて、それを私達に見せつけてるようでムカつくよね」
ちょっと待って!
水巻その手のひら返しは流石にないと思うぞ。
確か水巻は俺に七海とは仲良くしてほしいとか傷つけて欲しくないとか言ってなかったけ?
てか水巻お前か! 何かこの二人俺に隠しているだけで昨日から事情を知ってそうだなと思ったら、お前が原因か! お前が情報漏洩の元か!
そして白雪は何故か俺の隣で深呼吸を始めた。一体何を考えて、何を言おうとしているのだろうか。直接言いにくいならメールでも電話でもいい気がするわけだが。それに俺もなんだかんだ言ってかなり緊張している。
そうあの一言が俺と白雪の関係を気まずい物にした。
『大好きだった――』
俺はあの日、白雪にそう告げた。
これは昨日考えて思ったんだけど、そもそも白雪の気持ちに答えられない、今は別に好きな人がいるだけでもあの場では成立したと思うんだよね? だって育枝は全部知ってたしさ。となると、俺自分から聞かれてもいないことまで、過去形とは言え皆の前で告白したって事になるんだけど、それ必要なかった気がしてならないんだよ。
だってそれ言わなったら、絶対ここまで気まずくならなかった!
少なくとも白雪とは!
って個人的には思っているわけで。
勿論、皆の前で告白された時はめっちゃ嬉しかったし内心喜んだせいで、いつも以上にお口が達者になって最後は…………………………うん、そうゆう事だから深くは思い出さないでおこう。
俺もまぁ振られた以上、白雪の気持ちもわかるわけよ。こう自分が好きだった相手に振られた時のその後の気まずさってやつが……。多分だけど白雪も今頃そのせいで緊張しているんだと思うんだよね。俺の『好き』を通り越した『大好き』って言う言葉が原因でね。もし未来で作られた猫型ロボットがいたら過去の俺をぶん殴ってでも止めに行きたい……てかマジであの日その物をなくしたい。
白雪は今俺に対して何を思い、どういった気持ちなんだろう……。
考えて見たけど全然わからない。
可能性としては、『私の好意は届かなかった。だけど友達には変わりがない』とやっぱり内心はもう過去の事として割り切っている気がする。だって白雪っていつも冷静で落ち着いているって雰囲気があるし。
別の可能性を考えるなら、『ふーん。私達実は両想いだったけど、今は違うのね』と怒らせてしまったのかもしれない。それで内心は怒っているけど、とりあえず表面上は仲良くしてあげるってやつなのか。う~ん、それは嫌だけど俺が悪いんだし仕方がないか。
はたまた『私を気持ちを利用して、告白だなんて最低!』と思われているのかもしれない。確かにそうだ。女の子からしたら、せっかく勇気を出して告白したのに、それを断るだけでなく…………あぁーーーーーーーーーー失敗したぁぁぁぁぁ。
てかだんだん思考がネガティブになっているな、俺。
でもまぁ、なんにせよ……。
今の俺には白雪が何を思い、何を考えているか全然わからないんだよな。
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