第2話 通知だらけの画面
────翌朝────
スマホから綺麗な音色が聞こえる。
次第にその音は大きくなっていき俺をムカつかせた。
ストップと書かれたボタンを押し、体にかかっている布団を両足で押しのける。
カーテンの隙間から光が差し、木製のデスクには広げられたノートが置かれていた。
ふと、スマホを見る、、、!?
通知だらけの画面に俺は驚きが隠せなくなった。嬉しい気持ちと若干怖い気持ちが同時に襲ってくる。
震えながらトナエッターアプリを起動させると、、、[フォロワー17505人 フォロー470人]────夢なのか?
目をこすってもう一度見るが依然変わりなくそこにはフォロワー4000人超えの俺が立っていた。
何が何でこうなった!?
通知を漁るが[○○があなたをフォローしました。]で埋め尽くされていて原因がわからない。
昨日の記憶を俺は引き出す事にした。
俺はあの日、、そうだ!曲を送って、そんで、、、まさか!?
急いで[O-gasto]君のアカウントを見る。
[なんと!リスナーさんが作曲した曲を歌ってみました!とても良い曲なんで彼のフォローお願いいたします!
@DODO4588_ ←作曲してくださったリスナーさん]
やべぇことになった。
俺はいきなり有名人になってしまったのだ。
彼のトナエートに付いたトナリタには
[作曲の才能ありすぎ]
[作曲したリスナー学生ってマ?]
[O-gastoさんの声もいいけど曲もすごい!]
などと俺に関する事が多数寄せられていた。
マジかよ最高かよ!!
はしゃぎながら目の前にある壁掛け時計を見る
8時44分
大遅刻だ。
Oh....
急いで着替えをし、玄関を飛び出す。
やべぇがっつり寝坊やん、、、
さっきまでのテンションは儚くも消えていった。
えーと、次の電車は、、、、
スマホを見ながら電車の時刻を確認する。
次は、、、、9時ちょうど出発か、、、
スマホの時計は8時57分を指していた。
全速力で駅に飛び込み、ドアが閉まるぎりぎりで電車に駆け込む。
※皆は真似しないでね
ギリギリセーフ!いやアウトだわ大遅刻だし
もう二時限目始まってるだろうな。
吊革を握りスマホを眺める。
やはり変わらずフォロワーは一万を突破している。
これからは作曲家としてネットにいないといけないのかな?などと窮屈に思いながら指を動かす。
[!?フォロワーさんが一気に増えた!ありがとうございます!まだまだ未熟な僕ですが学生生活と作曲を両立してこれからも頑張っていきます!]
とよくあるようなトナエートをする。
これから俺、有名人として生きていかなきゃな。
幸いまだこのアカウントが同級生にバレてないこと安心しながら、、、いや待てよ一人だけいたな。
たっつんだ。本名は[
中学の頃、俺たちは同じ趣味を持っており、そこから仲良くなった。
俺たちは曲が大好きで今までいろいろな曲を作ってきたが、まだそれをネットなどに公開したことはなかった。
昨日までは、だけど。
手で小さくガッツポーズをして、俺はまたスマホを眺めることした。
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