有名人にフォロー貰ったけど有名人の正体がリア友だった

早坂楼

第1話 噂の有名人

[トナエッター]

それは有名なSNSアプリ、自分が皆と話したいことや独り言を唱えたり、他にもいろいろな目的で使われたりする。


[斎藤裕五さいとうゆうご]

それは平凡などこにでもいる高校二年生、

というかこれは説明っぽく言わなくていいか。


改めまして俺は斎藤裕五、そこらへんの高校生だ。

トナエッターで175フォロワー貰ってるいたって普通の高校生だ。

ちなフォローは470フォローしてる。普通の人気のない高校生だ


そんな普通の高校生の俺にも好きなユーザーが存在している。


フォロワー48250人フォロー140人の有名トナエッタラーの[O-gasto]君だ。

彼はイラスト、ゲーム実況、作曲、小説家、などあらゆる分野で優秀な力を発揮し、突如としてトナエッターに現れた。


声もいいし、何でもできるし、自撮り見る限りイケメンだし、本当に羨ましい。

だからこそ、俺は彼を尊敬し、そして応援している。


と、独り言をつぶやきながらスマホをスワイプしていると[O-gasto]君が新しいトナエートをしていた。


┌─────────────────┐

│緊急!僕に歌ってほしい曲募集!  │

│採用されたら歌って動画upします! │

│沢山の応募待ってるよ!      │

│Q145 ⇄450 ♡500       │

└─────────────────┘

 

ふと俺は自分が学校で自作した曲を思い出した。

友人と一緒に作ったがかなりの出来だったはず、、、

俺の思考はとち狂った考えと深夜テンションがプラスされ、一つのアイデアが思い浮かんだ。


[これ、僕と友人が一緒に作った曲です。

良ければ歌ってほしいです。]


なんてものを送ってしまったんだ、、、

だがもう引き下がれない。

何故なら、、、[O-gasto]君に数秒でいいねを押されてしまったからだ。

最初は飛び跳ねるように嬉しかったが、そんな嬉しさも絶望に変わった。

ああ、、、俺の人生終わった、、、

、、、もう寝よう。


─────ピコン!─────


スマホが鳴った

画面を恐る恐る見てみるとそこには驚きのメッセージが書き残されていた。


[いい曲だね!歌ってみるね!ありがと!]


予想外のコメントに息が出来ない。


おい、おいおいおいおいマジか!マジかよ!やったぜええええええ!


この時の俺の心は人生で一番飛び跳ねていたと思われる。


深夜ということを忘れ、早速友人に電話を掛けるため、スマホの画面を指でなぞる。

通話を開始するを押して、ワクワクした気持ちをどうにか治めれるように手に胸を当てる、、、、、やっぱ無理だわ。


最高!生きててよかった!今日が命日かもしれん。明日にはもうぽっくり空の旅に出掛けてるかも、、、なんて浮かれていると通話の始まる音がした。


「んだよ急によ。」


ちょっと不満そうな声が聞こえるが完全に無視し口を開ける。


「おい!たっつん!やったぜ俺よぉ!」


「何をやったんだよ、落ち着けって。」


たっつんの言うとおりだ、ひとまず深呼吸、、、やっぱ無理だわ。


「お前俺が前言ってた[O-gasto]君知ってるだろ?」


「おん、それがどうかしたか?」


「昨日作った自作の曲、歌われることになったんだよ!」


「は?」


「だーかーらー!俺たちの曲、世界に出回るんだよ!!」


「待て待て待て、どういう経緯で?」


向こう側から聞こえる声も明らかに動揺を隠せていない。


「[O-gasto]君が歌う曲募集してて、俺達の曲はっ付けてトナリタしたら歌ってくれるってきたんだよ!」


「へー良かったな。」


たっつんの声は一気に大人しくなりいつも通りのトーンに戻った。


「おいおい!凄いんだぞ!?」


「あー凄いなー。」


明らかな棒読みは俺を腹立たたせる気があるように心を貫く。


「んだよ!興味なしかよ!」


つい怒りっぽく言ってしまったが反省はしていない。せっかく楽しむところがこれだと台無しだ。


「世界に発信されるって所は驚きだったけど、俺あまり[O-gasto]さんのこと見てないしな。」


「あーそうかいそうかい!じゃあもういいよじゃあな!」


俺はスマホを叩き割るぐらいの勢いで通話終了ボタンを押した。


、、、なんなんあいつ、まじはらたつのりだわ、もういいや明日学校で直接文句言ってやろ。

ベッドにパンチを炸裂させながら俺は眠りについた。


─────ピコン!─────


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