第13話

「あれから3年たった……」


「何馬鹿なこと言ってるんですか。3秒の間違いでしょう。」


大賢者が呆れたように言う。


「だってあれじゃん階段降りた瞬間平原にステージが変わるし1~10階層と違ってモンスターうじゃうじゃいるじゃん!」


俺がこんなに驚くのも無理はない。

緑色の平原が続く中、モンスターが少なくとも30体はいるんだから。


「数はまだわかる。いや分かりたくないけど。なんなのこの質の違いわ!」


俺が切れてる理由を知りたいって?


見てみてよ。



オーク

種族豚頭 レベル1

力100 速さ90 防御力120 魔法防御力80


スキル

剣術レベル5 身体強化レベル8 突進レベル3 魔力操作レベル5 盾術 レベル3



こんなのが30体いるんだよ?

しかも上位個体もいるし。



オークリーダー

種族豚頭 レベル20


力240 速さ120 防御力300 魔法防御力140

スキル

斧術レベル8 身体強化レベル10 突進レベル5 魔力操作レベル10 指揮レベル 4 盾術 レベル6




ね? 俺とほぼ同レベルだよ?(あくまでスキルなしの場合)

可笑しくない?


それにオークはふくらんだ人の体に豚の頭がのっかったみたいで気持ち悪いしあんま見たくないし。

 

「ブオオオオ!」


オークリーダーが俺の存在に気づいて群れに知らせる。


「「「「「ブオオオオ!」」」」」


30体が俺に向かって走ってくる姿は圧巻だった。


「何のんきな事言ってるんですか! 戦ってください!」


大賢者に指摘されて我に戻る。


「はっ! フレイムサークル!」


俺は炎魔法の中級魔法フレイムサークルを放つ。

フレイムサークルは範囲魔法で、5メートル程の炎の渦となってオーク達に襲いかかった。


フレイムサークルでオークは10体程死んだ。


「転移! 一閃」


オークの真後ろに転移して”剣と剣”ではさみこむ様に首を落とした。

新しい剣は信じられない程よく切れた。

それに俺は今までとは、違う装備をしていた。

右手に暴食の剣左手にゴブリンキングの剣を装備していた。


転移は次元魔法レベル8で覚えた魔法だ。

今は3メートル程しか転移できないが、慣れてくればもっと遠くに行ける様になるだろう。


「火纏い! 風纏い! 

神速ノ一閃!」


片方の剣に炎がもう片方の剣に風が巻き付いていた。


オークは溶けるように切れた。


火纏いとは、炎を剣に纏わせる魔法で煉獄魔法を覚えた時に使えるようになったのだ。

風纏いも同じで剣に風を纏わせる魔法だ。

この魔法は双剣術とすごく相性が良かった。


両方の剣に付与できるから単純に攻撃力が上がるのだ。


「ブオオオオ!」


オークリーダーがそう叫ぶとオークは盾を俺に向けて丸く固まり始めた。


「固まってくれて嬉しいぜ! サイクロン!」


10メートル程の竜巻が固まったオークに襲い掛かった。


ほとんどのオークが竜巻の威力や、落下の衝撃で死んでいた。


「ブ…オオ……オ」


ボロボロになったオークリーダーだけかろうじて生きていたが俺には関係なかった。


「神速ノ一閃」


オークリーダーに抵抗する余地を与えずに殺した。


『スキル盾術レベル3を獲得しました。』

『スキル身体強化レベル8を獲得しました。』

       ・ 

       ・ 

       ・

『スキルポイントを31獲得しました。』

『レベルが6上がりました。』


「さて……狩りますか!」


俺は他のオークの群れを捜しに動き始めた。

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