第2話

俺が家を飛び出してから、数分がたった。

俺は、親父の町にいることすら許されないので違う町に向かう必要がある。


この近くとなると、ほとんどが親父の息がかかっているのでできれば遠くに行きたいが、お金も無限では無いので馬車で行くことはできない。

歩きで行くしかないようだ。


町の外には、ダンジョンでなくても魔物が徘徊しているので安全ではない。魔物に加え盗賊などもいるからだ。


ある程度の装備は、家で揃えてあるので大丈夫なはずだ。

門を出ると町の中は、打って変わって何も整備されていない草原が広がっていた。


何で知らないかって?

外に出たことがないからに決まってるだろ!

決して外に出れて喜んでいる訳ではない。

ないからな?!


まあそんなのはさておき、次の目標は、隣町のバラクラの町に向かうとしよう。


暫く歩いていると、魔物が現れた。


「ゴブリンか」


ゴブリンとは、想像の通り緑色の人型の魔物だ。

ゴブリンは、Eランクの魔物なので俺でも大丈夫だ。

魔物にもスキルと同じように、ランク別けされていて、上からS、A、B、C、D、E、Fとなっている。

FやEは普通の成人男性が一人でも勝てる相手なのだ。

一応戦で成り上がった一族として、剣術は幼い頃から習っているので俺が負けることはないであろうが、もしもの事もあるので油断しないでいこう。


「グガキギギ」

どうやらゴブリンも俺のことに気づいたようだ。


ゴブリンは、俺めがけて突進して来るが、俺は横に飛びかわす。


「【剣技】【一閃】」


【剣技】【一閃】は、剣を真横に払う、剣術の初歩的な技だ。


だかゴブリンにとっては、致命的な一撃となる。


「グガ!」


ゴブリンは、かわされると思って無かったし、ましてや、反撃されるとは、思ってなかったかのように、背中にクリーンヒットする。


「グギギギ」


まだやれるのかもう一度突進して来るが、安直過ぎて同じようにかわそうと思い横に跳ねるが、ゴブリンは、かわされるのを、待っていたかのように、俺が跳ねた方向に向かって突進して来る。


俺は、そう来るとは思ってなかったので、今度は俺が、真横に吹き飛ばされた。


いくら、Eランクでも、魔物だ。その威力は半端ではない。


「くっ」


俺は、結構後ろまで飛ばされ、木々が生い茂ってるところまで飛ばされた。


更に運悪く、飛ばされた方向には、謎の渦が現れていて、俺は、その渦に飲み込まれてしまった。


俺を飲み込むと渦は消えてしまった。

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