第41話・覚醒
記憶の中の俺は、ただただ森の中で怪異と戦闘し、その魂を貪り食っていた。
見ただけでわかる、人じゃない。
一体どういうことなんだ。
俺は人間じゃなかったのか?
『君は人間だよ。今はね。けど、この町に来る前は人じゃなかったの』
そんな声がどこかから聞こえてくる。
『私が人間にした。私の魂の半分を君に託して』
魂?君の?
『そう、魂っていうのは、種類が違う魂が、一つの肉体にはいると、大きい方に取り込まれるの』
じゃあ、今俺の魂は……なんだ?
『正確には、君の魂なんてない。色々な魂を貪り、混ぜ合わせて、私の魂が入ってできたのが君。灯夜なんだよ』
灯夜って名前も私が決めたんだよと、その声は少し嬉しそうに笑った。
けど、どうして化け物なんかの俺を人なんかに?
『それは……灯夜、君が考えてね』
どうして急に、考えろって言われても……。
『大丈夫、魂の中に入れた私を見つけた灯夜になら答えを見つけられるから』
段々声が薄れていく感じがした。
『灯夜はこの先いろいろな怪異に出会っていくでしょうね。そして、その全て思いを背負う役目があるの』
え、それってどういう?
『それを知りたきゃ、まずは自分を思い出して力を使いこなせるようにならなきゃね。今回は特別大サービスで寝ている灯夜を動かして本気を出さしてあげましょうかね』
そう言ってその声の主は、消えてしまった気がした。
メモリーメドレー 秋猫シュガー @sikiaki22
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