第38話・銭湯 女湯

 時は少し戻り、女子4人はというと……。

「久しぶりの銭湯だなー」

 仔春は湯船に浸かりながら大きく伸びをした。

「……浮いてる」

 明花は自分の胸の辺りを触ってそう言った。

「こういうのを見ると、アニメの謎の光を思い出すわ……」

 加代はそう言いながら、自分の胸が浮くかどうか試していた。

 真保はというと、仔春から少し離れた所で浸かっていた。

「とはいえ、真保に姉がいるなんて初めて知ったよ、同じ学校にいるならどうして教えてくれなかったの?」

「聞かれなかったから」

 胸を浮かせようとするのを諦めた加代の言葉に、真保はそう返した。

「あー、真保ってそうな感じな子だったね……」

 加代は肩まで湯に浸かると、ゆっくりと息を吐いた。

「けれども、真保と仔春さんって全然性格違うよね」

「え、そうかしら?」

 加代の言葉に、仔春は不思議そうに首を傾げた。

「そうですよ、陰と陽みたいで全く違いますよ」

 明花も話を聞きながら頷いた。

「でもね、これでも昔の真保は今の私と似てたんだよ〜」

仔春姉こはるねぇうるさい」

 そう真保は仔春を睨みつけた。

「あはは、そうだったんだ……ア……」

 加代は急に顔色が悪くなり、両手で腹部を抑えた。

「ごめん、ちょっとトイレ行く」

 加代は一足先に銭湯から出ていった。

 明花は、その様子を心配そうに見送った。

「加代先輩大丈夫かな」

「いつもの事だから大丈夫。けど今は、加代よりもこっちの心配したほうが良いかも」

 真保はそういうと周囲を見渡し始めた。

 仔春も立ち上がり警戒していた。

 明花も恐る恐る周りを見渡すと、さっきまでいたはずの人の姿がなくなっていた。

「真保、これって」「伏せて!」

 明花の言葉を遮り、真保は明花を押し倒した。

 その瞬間大きな爆発が起こった。


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