第27話・始動4
真保と別れて残りの授業を受けると、放課後になり、灯夜と明花は一緒に部室へと向かった。
「なあ、明花」
「何?」
「何で教室に迎えに来たんだ?」
「だって、前みたいなのがあったら怖いし……」
なんだか半分言い訳のような口調で明花はそう言った。
「まあ、いいや」
それから、隣の校舎に移動した瞬間にバンッという何かが破裂するような音が廊下に響き渡った。
「今のって……」
「部室の方からだよ!」
灯夜達は急いで部室に向かうと、扉の隙間から白い煙が漏れだしていた。
灯夜が急いで扉を開けるとバラバラになった何かと呆然に立っていた加代だった。
「加代、大丈夫か?」
加代の体は少し埃を被っていただけで怪我などはしてなかった。
「こ、こ……」
「こ?」
「壊れたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
かよは、学校中に響き渡るのではないか位の声を上げてバラバラの破片の周りを走り回り、数周したくらいで落ち着いて止まった。
「えっと、加代……大丈夫か?」
「まあ、心はボロボロだけど体は大丈夫」
灯夜の問いかけに加代はもう少しで泣きそうな顔で答えた。
「で、何があったのよ?」
灯夜の後に入ってきた明花が聞いた。
「それが……前に使った『幽霊探索装置』が使っても反応なかったから、もしかしたら電池かなんかが無いと思っていじくってたら急にボンッ!って」
「…………」
加代が説明している横で真保は無言でロッカーに入っていたホウキとちり取りを手に、破片を集めてビニールの中に入れていた。
「うぅ、あれがないともう幽霊探しができないよ~」
「だったらまた作れば良いじゃないの?」
明花がそう言った。
「あれは、私の先輩が作ったもので作り方も教わって無いし、資料もロッカーの中には無くて……はぁ~」
「うーん……あ!」
するといきなり灯夜が何か思い出したような声を上げた。
「ロッカー以外に見てない所と言えば、天井の空間は見たんですか?」
「あ、そういえば見てないな。あそこガラクタがいっぱいで全部見た訳じゃないんだよね」
「けど、見る価値はありそうですね」
「え、この部室天井裏あるの!見たい!見たい!」
「よーし!じゃあ今回は、天井裏の掃除だぁー!」
そして、灯夜達は、天井裏の掃除を始めるのだった。
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