第20話・事件

「じゃ、明花ちゃんも一緒に学校探索と行きますかー!」

 加代はさっきまで腹痛だったとは思わないほどに元気になっていた。

「お兄ちゃんが行くなら私も行く」

 明花はそう言うと灯夜の袖を掴んだ。

「明花、どうしたら?」

「いや、さっきのがまだいると思うと怖いなーって」

 少し口角が上がっているのは恐怖からだろうか。

「だったら私の近くにいた方が安心」

 灯夜と明花の間から真保がニュッと出てきた。

「チッ」

 明花の方からものすごく黒い舌打ちは灯夜には届かなかった。

 その後は反応しない機械を必死にそこら辺に向けながら進む加代を見ながら進むというのが続いただけだった。

「加代、もう時間」

「え?」

 真保がそう言うと加代が腕時計を見て驚いた。

「えぇ!もうこんな時間なの!?あ、え、えっと灯夜君達ごめんね、こんなのに長い時間付き合ってくれて」

「いえ、家にいても暇なだけでしたので」

「まあ、お兄ちゃんが良いならいいけど」

「そう言ってくれてありがたいよ。で、今日はこんな変なことしかしてなかったけど、私の部活に入ってみないかな?」

 そう聞いてくる加代に灯夜は言った。

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