第19話・戦闘2

 灯夜と真保はいきなり後ろから悲鳴が聞こえ振り向くと床から生えている手に足を掴まれ逆さに吊り上げられた明花がいた。

「いや!?え!何これ!ちょっ!触んないで!」

「明花!?」

「お兄ちゃん!お兄ちゃん助けて!」

「わかった!今いく!」

 灯夜が走って明花の所に近づくと突然足元の床から明花を掴んでいた手が出てきた。

「っつ!」

 いきなりの事に灯夜は足を滑らしてしりもちをついた。

 手が灯夜に触れるギリギリになった瞬間白い何かが手を切り刻んだ。

 灯夜を助けた白い何かの他にも似たようなのがありそれは明花を襲っていた手も切り刻んでいた。

「きゃあ!……あれ?」

 掴んでいた手が消え落下する明花を大量の白い何かが支えてゆっくりと下ろしてくれていた。

 それをよく見ると紙のような素材でできていて人のような形に切られていた。

「灯夜、明花大丈夫?」

 真保が灯夜を起き上がらしてそう言った。

「ああ、なんとか」

「私もこれに助けてもらったし、でこれ何なの?」

 明花はそう言いながらそこらじゅうでふわふわと浮いている白い紙を掴んだ。

「それは私達除霊師が使う式神。あれとかを使ってさっきのみたいな人に害をなす幽霊を倒すの」

 真保はそう言いながら人差し指を動かして式神を明花の周りに飛ばした。

「じゃあ、さっきの手は幽霊なの?」

「そう、あれは色々な生物の魂が一塊になってできたやつ、そして今の時間が幽霊が凶暴になる丑三つ時でこういう所にも出てくるようになってたの」

 真保の話が終わると加代がトイレから帰ってきた。

「いやー、ごめんね時間かかせちゃって。

 あれ?その子は?」

「ああ、俺の妹の明花だよ」

「こんにちは、で、あなたはお兄ちゃんの何ですか?」

 明花の顔色が怖い。

「私は加代、この文芸部の部長をしてるの」

「へぇ、で、なんでお兄ちゃんはこの部活にいるの?」

「それは今回誘われて見学に来たんだよ」

「なるほどね」

 灯夜がそう言うと明花は納得したようで少し落ち着いた。




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