第21話・事件2

 灯夜と明花は加代達と別れ家に続く道を歩いていた。

「ねえ、お兄ちゃんはあのお化けとか見ても怖くないの?」

「ん?あぁ、何でだろなあいつらは初めて見るはずなんだが恐怖よりも助けたいって気持ちになるんだ」

「助けたい?何で?」

「何でだろ……う~ん」

(わからない、どうしてこんな気持ちになるのか、どうして記憶がないのか、それもこれも自分の過去が原因なのだろうか)

 灯夜の渦巻く不思議な気持ち、その真実を消すように夕日は沈んでいった。

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