第12話・部活3
呼ばれた方に振り向くと一人の少女が立っていた。
たしか、同じクラスの
「えっと、何の用ですか?」
「そんなにかしこまらなくてもクラスメートなんだからタメ口で大丈夫だよ。私は西崎
「よろしくお願いします」
「もう、同級生なんだからお願いしますはいらないの。私の呼び方も加代で良いから。じゃあ本題に入るんだけど、灯夜くんって部活の見学そんなにしてないけど入る部活決めてるの?」
「いや、まだだけど……」
「だったら私の部活に入らない?」
唐突にそんなことを言ってきた。
「この学校の部活中学生と高校生が一緒に部活をするのは知ってるよね。そのお陰でチームワークなんかが良くなってる感じだけど、やっぱり中学から部活をやってると部活を変えるっていうのは難しくてね。部員が少ない部活はきつくなっちゃうんだけど……なんと!偶然!たまたま!灯夜くんが入学してきてくれてこれはチャンスと思って誘ったの!」
長々と身振り手振りで話していた加代の目は絶対に入れるという強い意思を感じる。
「えっと、じゃあ見学してみて自分に合った感じだったらで……」
「本当!やったぁ!」
そして放課後、加代と灯夜は南側にある校舎に向かっていた。
「あ、そういえば加代さんの部活って何部なの?」
「さん付けもいらないよ」
(なんで俺にはくん付けするんだ?)
灯夜はそう疑問に思った。
「私が入ってるのは文芸部なんだけど、やってることは幽霊調査部みたいになってるんだ」
「幽霊」
「そう、まあ私は日本にいる妖怪や悪魔なんてのを調査してるんだけど……あ、着いたよ」
そう言って加代が足を止めたのは文芸部と書かれた教室だった。
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