第5話・メモリーロスト5
次の日、俺は朝食を作り妹が起きてくる昨日と変わらない朝。
だが、それは俺の一言で終わってしまう。
「なあ、明花と同じクラスの小川真保ってどんな人だ?」
ぶぴぃー
明花が味噌汁を吹いた。
「はあ!?何で急に」
なんでだろ、何か明花の顔が怖い。
「いや、昨日帰りに会って話したら『明日、学校で』って言われてクラスが書かれた紙見たらお前と同じクラスって知って」
「で、行くの?」
何かますます怖くなってきた。
「まあ、行かなきゃいけないだろ?」
「……やっぱ、お兄ちゃんは年下が好きなんだ……」ボソッ
「何か言ったか?」
「いや、ぜーんぜん」
そう明花は少し怒った感じで学校へ行ってしまった。
そして、放課後自分は3-bの教室に向かった。
この学校は校舎が3つあり、中学生の教室がある校舎、図書室や移動授業などで使う教室がある校舎、高校生の教室がある校舎に分かれていて校舎の間には渡り廊下がありいちいち外に出なくても隣の校舎に行ける。
教室に着くと中には明花と真保がいた。
「明花は帰らないのか?」
「お兄ちゃんがクラスメートに何するのか気になってね」
明花は怒りながらそう言った。
「……話は終わった?」
すると近くで話を聞いていた真保がそう言うと、明花の怒った顔で真保の方を見て。
「んで真保!お兄ちゃんに用って何!」
「幽霊探し」
その時何かが切れるような音がした。
「んなもん誰が信じるかーー!」
「明花!?」
いきなり明花が真保に飛び付こうとした所を押さえつけて真保の方を見た。
「で、幽霊探しとはどういう事だ?」
「こいつみたいなのを探す」
真保はいつの間にかいた黒猫、黒すけを掴み上げた。
「猫探し?」
「え、猫って?お兄ちゃん何言ってるの?」
すると、いつの間にか 落ち着いていた明花がそう言った。
「今、今川さんが持ってるだろ?」
「真保ちゃん何にも持ってないよ」
「……え?」
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