第3話
またいつものように部屋に引きこもって、夜になって、カーテンを閉めます。ベッドに横たわって、ごろんとして布団に潜ります。天上を見上げると、電灯が半円の鋭い月のように見えました。お月様は歯をむき出して笑っているようでした。お月様をあまり眺めてはいけない。発狂してしまうから。そう言われて、わたしは、眼を閉じました。今、だれがしゃべったの? そう心で問い返すと、さあね、とだれかが返しました。また悪霊にとり憑かれているんだ。わたしにはときどき霊障が出ます。霊による障害。わたしは悪霊にとり憑かれやすい体質なのです。お祓いに行った方がいいよと何度もまわりの人から言われるくらいです。あまり自覚症状はないんですけどね。わたしがうんざりしていると、お月様だよ、とだけ電灯は答えて、またただの白い光を放つ円状の状態に戻ってしまいました。お月様どこに行っちゃったのだろう? そう不思議がっても、もうだれもなにも答えてくれませんでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます