第15話試験飛行と初合わせ
まずは最高時速まで加速、その後急減速からの回転など一通りの動作を知恵は行う。
一つの感想を出すとすれば美しい機体だと思った。
自分の機体は元々試験機だから荒削りのような所もあるのに対してjpn/us35は荒削りの部分を研磨した機体といえる。
それを考えると全国規模で早く配備して欲しいと思う。
そうこう考えていると知恵が滑走路に降りてきた。
機体から降りると素早く自分の後ろに回ってきた。
本当にいつそのようなステルスを・・・
突然知恵が耳打ちをしてきた。
「機体最高です。ありがとうございます。って伝えて」
「いや、お前が自分で言えよ。」
「だって怖そうだし恥ずかしい・・・」
「分かったよ…しょうがないなぁ」
仕方なく知恵の感想を代行しておやっさんに伝える。
そしたらおやっさんは苦い顔をしたが事情が事情のため言及はしなかった。
突然格納庫から整備士が走ってきた。
どうやら自分宛てに立花さんから電話がかかってきたとのことだ。
そして電話を代われとのこと。
「もしもし、電話代わりました。なんでしょうか?」
「谷口隊長、先ほどこちらから試験飛行をしているのを確認しました。流石少尉には良かったとお伝えください。それとどうせですしこの部隊で初の編隊飛行をしてみてください。先に申請して滑走路使用の許可を得ておきました。」
「了解しました。これより機体に搭乗します。」
「それでは。あっ、麗奈に伝えてください。走るの頑張ってと」
それだけいうと電話は切れた。
先ほどの伝言を麗奈さんに伝えると頬を赤くし起こり始めた。
めちゃくちゃ「桜からの嫌がらせ」だの「桜の陰謀」だのと愚痴を言いながら走っていった。
麗奈さんが走っていくのを見るとすぐさま自分も走りだす。
今日は元々搭乗予定が無かったため機動歩行ユニットを着ていないからだ。
すぐさま格納庫内の更衣室に向かい着替える。
着替え終わるとおやっさんからもう知恵は機体に乗っていると言われた。
自分もすぐに乗り込む。
OSの起動音を聞き格納庫から出る。
出た後は知恵の機体の前に回り込み麗奈さんを待つ。
それから2,3分後に麗奈さんが来て知恵の後ろについた。
全員が準備万端な事を確認すると自分から飛びたつ。
そのあとに続くように2人が離陸してくる。
まず最初にエシュロンをするように合図を送る。
2人ともしっかり合図にあわせて動く。
それからトレールをし、ライン・アブレストをする。
ライン・アブレストのまま急旋回の指示を送り旋回する。
勿論全員しっかり付いて来て滑走路に降りる。
機体から降りるとちょうど電話を持っておやっさんが待っていた。
「ほれ、桜から電話。」
そう言いながら電話を受け取る。
「谷口隊長、見事な飛行でした。しかし一つ言うとしたら性能の差だから仕方ないとはいえ麗奈のjpn/us15が旋回が少し遅かったですね。言っておいてください。」
「わ、分かりました・・・」
当然麗奈さんに言うとやはり頬を赤くした。
これは後で2人の言い争いが起こるだろうな…。
絶望の始まり、そして・・・ 渡辺赤城 @watanabeakagi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。絶望の始まり、そして・・・ の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます