第4話 友人

「なあ悠也、今度お前の部屋行って良い?」



俺の親友の、天藤 康司(てんどう こうじ)が、聞いてきた。



「俺の所?」

「すぐに返事くれ! とは言わないから、お前の都合の付く日で良いし」

「分かった。考えとく」

「宜しく!」




その日の夜 ―――



「なあ」

「何?」

「俺の友達の康司が、ここに来たいらしいけど……連れて来て良い?」

「友達?」

「ああ。同じクラスの天藤 康司」


「別に良いけど……もし来るなら私はいない方が良いよね?」

「いや別に問題ない!」


「えっ? どうして? 一緒に住んでる事が分かったら……」

「いや、アイツには隠す必要ない。むしろ、知って貰った方が俺的には良いんだ。親友だし。まあ、お前が嫌だっていうなら辞めておくけど」


「別に嫌じゃないけど……」

「けど……何?」

「私は、悠也が良いなら、それに応じるだけだから。悠也が天藤君と親友なら、それなりの長い付き合いな訳だし信頼度高いわけでしょう?」


「ああ。正直、隠し事はないな」

「分かった。でも女の子は連れて来ないでね」

「女の子? それは俺も嫌だ! つーか、俺的にはお互いの異性の友達を連れて来るのは避けたいかな?」


「お互いの異性? 彼氏彼女とか?」

「それもあるけど、女友達とか男友達とか。俺は、お互いの同性の親友迄。それ以上は嫌!」


「へぇー、そうなんだ」

「確かに、プライベートだし、恋人と何しようが良いけど……何か……」

「つまりそれって、え、エッチな事は禁止みたいな」


「俺は、そっち派。じゃあ逆に聞くけど、俺が彼女連れて来て、エッチな事してたら嫌にならね? だって、一緒に住んで共同生活してる部屋で、イチャイチャしてあんな事やこんな事してるのってどうよ?」


「まあ分からなくもないけど……じゃあ話は戻るけど、私いても良いんだよね?」

「ああ」

「分かった」




そして ―――



「康司、お前を部屋に入れる前に1つだけ言っておきたい」

「何?」

「実は、同居人がいるんだ」

「同居人?マネージャー?」

「違う」


「女?」

「女。お前もよーく知ってる奴」

「誰? 誰?」

「とにかく入ってくれ!」



ガチャ

ドアが開く。



「ただいま」と、悠也。

「こんにちはー」と、天藤君。


「おかえりー」と、私。



玄関先に行く私。



「こんにちは! いらっしゃい天藤君!」


「えっ!? お前らって……」

「いや、違うし! 誤解するな!」

「私がルームメイト募集したら彼が来た!」

「そういう事。ともかく、この事は内緒な」


「それは分かったけど」

「約束守れよ!」

「分かった、分かった!」

「本当に大丈夫か?」


「大丈夫! 安心しろって!第一、バラしたら、お前も真谷もヤバイだろう?」

「やっぱ分かってるなー、お前!もの分かりの良い最高の親友だな!」

「もっちー!」




私達は色々と話をしていた。



「ある意味新婚夫婦?」

「おいっ!」

「辞めてっ!」







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