第3話 秘密のデート

ある日の事だった。


「朋華、今から出掛けよう!」

「えっ!?」



時間は夕方。

突然、彼は言ってきた。



「今から? 悠也芸能人なんだよ! 付き合ってもいない私達が街に出たら……」


「誰も街に行こうって言ってないけど? 後、芸能人だからの扱い辞めろって言ってんのに……」


「あ……ごめん……つい……でも出掛けるのはやっぱ無理!」


「……そうか……じゃあ……」



ドキッ

グイッと私の腕を掴み抱き寄せられ胸が大きく跳ねた。


そして、私をぐるりと180度回転させ背後から抱きしめるようにする。




「じっとして!」



ドキン

目隠しされた。



「ちょ、ちょっと!」

「バレなきゃ良いんだろう?」



ドキン

耳元で言われているかのような気がする中、目隠しされた状態は、感覚が分からない分、胸が大きく跳ねる中、ドキドキと加速していく。


そして、帽子を被せた。



「悠也? ちょっと! 逆に怖いんだけど」

「だって、出かけてくれそうにないから強制!」

「強制って……せめて目隠し外してよ!」

「やだ」

「ひどっ!」



クスクス笑う悠也。



「あんた変態趣味あるんじゃないの?」

「それはそれで、面白いネタだな。部屋から移動しまーす」


「ま、待って!」

「何だよ」

「マジ、この状態の移動は無理!」

「紙谷さん来てるし、車迄移動するだけ」

「そ、それは、わ、分かったけど……」

「密着しちゃう?」


「み、み、密着!?」

「うん」



グイッと私の肩を抱き寄せられた。



ドキッ



「朋華も抱きつけば良いし!」

「だ、抱き付く!?」

「目隠しされて帽子を被ってれば誰か分からないし車迄ベッタリくっついてれば?」


「………………」


「無理!」

「じゃあ、そのまま移動します」

「や、やだ!」



私は悠也に抱き付く様にした。



「行くよ」

「うん……」



私達は移動した。




そして、向かった先は ――――



「はい、到着!」



私は要約解放された、視線の先に見えたのは遊園地だった。



「えっ!? でも、閉園……」

「協力して貰って貸し切り遊園地!」

「貸し切りって……いやいや私と一緒じゃなくても……友達とか……業界人間と楽しむ方が良くない?」


「それもありだけど、俺が朋華と行こうと思って計画たてたから」


「えっ!? 」


「同居人としてプライベート、もっと知るのありでしょう?」


「悠也……」


「ほら、行こうぜ!」

「……うん」



私達は、楽しむ事にした。




遊園地はどれくらいぶりだろう?


ましてや異性となんて


しかも相手は芸能人で


今人気の YU-YA


沢山のファンが


こういうデートしたいと思っているのに……





数日後。


「悠也ーーっ! 仕事でしょう?」


「…………」


「悠也ーーっ! 入るよーーっ!」




カチャ

ドアを開けるものの先に進めない。


同居人とはいえ、男の子の部屋に入るのは抵抗がある。


慣れない事で胸の鼓動が速くなる。



「悠也……?」



ベッドに歩み寄る私。



「悠也ー、起き……て…」



グイッと腕を掴まれた。



「きゃあっ!」

「……ん? えっ? うわああっ!」



私達は慌てて離れた。



「わ、悪い」

「う、うん……そ、そんな事よりも仕事! 紙谷さん来るよ!」

「あっ!そうだった!」



洋服を脱ぎ始める悠也。



「ちょっと! 私まだいるから!」

「……朋華ちゃんのエッチ~」

「あのねーっ!」

「じゃあ3秒で出てって!」

「えっ!? 3秒っ!?」


「いーち」

「えっ?」


「にー」

「待って!」


「さーん」



私はギリギリ部屋を出た。




そして ―――



「じゃあ行ってきまーす!」

「行ってらっしゃい!」

「行ってきますのチューは良い?」

「えっ!? チューって……わ、私達は、ただの同居人でしょっ! ?」

「はいはい。じゃあいつかしてあげるから」

「悠也っ!」



悠也は出掛けた。









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