第2話 同居生活
次の日 ―――
業界の人間と思われる彼の方から連絡を頂き、部屋の下見に向かうとの事だった。
お互いの都合を伝え合い会う約束した。
しかし、本人の代理としてマネージャーをよこすとの事だった。
「すみません、私、彼の専属マネージャーの紙谷 僚司(かみや りょうじ)と言います」
「はい」
「彼が仕事の為、代理でこちらに伺いました。あなたの部屋を教えてもらえますか? ご本人は、仕事が終わり次第こちらに必ず伺います」
「分かりました」
私はマネージャーと思われる人を連れ部屋を案内した。
その日の夜 ―――
「夜分すみません。お昼にお会いしましたマネージャーの者です」
「あ、はい」
そして、要約会う事となり ―――
「「あっ!」」
お互い同時に口を開く。
「どうしたんですか?」
と、マネージャーの人。
「いや……可愛いは……ねえだろ?」
と、連れの人。
「悪かったな!私だって恥ずかしかったし。だけど、誰もルームメイトなる人いなかったから、何とかして募集して……そうしたら全く違う目的のメールばっか来るし!第一、あんただって……」
「俺だって何だよ」
「……良いっ!」
「………………」
「あー、すみません。紙谷さん、コイツ同級生です。しかもクラスメイト」
「あー、そうだったんですね」
まさかの偶然
私の目の前にいるのは
同じ学校と同じクラスでもある
そして芸能人の YU-YA だった
取り合えず二人を部屋の奥に入れ、一通り部屋を見ながらも話を続ける藍神君。
「なぁ、真谷」
「何?」
「お前、どうしてここの部屋に住もうと思ったの? どう見ても広すぎじゃね?」
「憧れだったから」
「えっ?」
「高校生になって一人暮らしして……長い期間住める場所。2部屋以上の物件探してた。確かに色々な物件あったけど……」
「じゃあさ女子高生とか可愛いとか……書いて迄ルームメイト募集した理由は?」
「理由?」
「一人暮らし憧れてて、どうして自分の危険を晒して迄、普通しねーだろ? 男女問いませんって書いてあったし……」
「それは……」
「一人暮らし憧れて、ルームメイト募集する意味が俺には理解出来ねぇんだけど。将来性の為?」
「正直、深く考えてなくて……とにかく2部屋ある物件が良かったし、一人じゃ不安もあってルームメイト募集したってやつかな?」
「………………」
「それより、そっちの理由も分からないんだけど! 芸能人なのに部屋借りれば良いじゃん! マネージャーの人と住むとか出来るはずだよ!」
「俺も高校生になったら一人暮らししようって考えてたから。だけど全く部屋見付ける時間もなく契約した所でバレんのも怖いし」
「いやいや、だったら、それならここも同じでしょう?」
「ここはセキュリティがしっかりしてるから」
「でも、そっちの理由も私と変わらない気もするんだけど……一人暮らしする予定だったのに同居とかあり得ないんだけど!」
「まあ、俺、偶々だし。いや……確かにお前以外にもルームメイト募集はしていた人いたけど……業界の人間って聞いて反応次第では自分自身も危険晒す事なるし……」
「つまり、藍神君自身、連絡してる訳だ」
「そう! そして要約、真谷に辿り着いたって訳。まあ、何かの縁だったんじゃ? つー事で契約するわ」
「えっ!? いや……」
「いや……って……契約しないの?」
「いや、そうじゃなくて」
「じゃあ何だよ」
「本当に良いの?」
「良いから言ってんじゃん! つーかさ、お前の条件だと、次の相手も変わらねぇと思うけど?」
「可愛い女子高生の真谷さん」
「う、うるさいなっ!」
「どう考えたって、危険過ぎだと思うけど? スッゲー警戒していたくせに。それに一人暮らしだし」
「そういう自分だって芸能人なのに」
「一人暮らしより良い!」
「………………」
「知らない奴よりも顔知ってる奴が良いと思うけど?」
「それは……」
「近々、引っ越して来るから、宜しくな!朋華」
ドキッ
異性に名前を呼ばれ胸が大きく跳ねた。
「えっ?」
「で、良いっしょ? 自己紹介で言った様に特別扱いされんの嫌だからお前も下の名前で良いし」
「分かった」
そして同居生活が始まる事になったんだけど ――――
ある日の事 ―――
「ちょ、ちょっと! パンツ一枚でウロウロしないで!」
「俺のセクシーダイナマイトボディー滅多に見れないよ~ん♪」
「いやいや、直視する気も凝視する気も一切ないから早く洋服着て! 目のやり場ないからっ!」
彼は学校でもプライベートでも変わらない性格だった。
裏表のない芸能人。
藍神 悠也こと YU-YA。
多忙な彼とは、バラバラで不規則な時間。
一緒にいる事はほとんどなかった。
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