第115話  41階層

 晃達はグラッグの案内で41階層を進む。

 グラッグは驚いていた。僅か11人で40階層の主を倒したからだ。それも5分掛からす。


 特に晃の転移に狼狽えていた。

 ただ、戦い方はステータス頼みの素人判定だった。

 剣を突き出して転移した先で、剣を魔物の心臓に突き立てる位置に転移しなかったからだ。


 目的の場所は41階層の中位だ。

 時折戦闘を行う。出てくるのは中型犬から大型犬位の大きさで、兎やリスのような奴らなのだが、小動物をを狂暴にした感じで、噛み付いて引きちぎるのだ。


 1時間位探索し、ようやく装備等を発見し、皆に周りを任せて晃と大輔が収納に回収していく。仲間が殺されたのがここから5分位の場所と言い、更に進む。


 すると6人の死体が有った。無残に引きちぎられて横たわっていた。


 大輔が手を上げ、


「体があるからひょっとして可能かもな。レベルが上がっているから。蘇生を試すから、周りの警戒を頼むよ」


 腐乱も始まっていて酷い状態だったが、まずは晃と一緒に欠損修復と怪我の治療等の再生を行い、肌が露わになった女性にはアマゾネス三人組が服を着せていく。慣れたものだった。男3人女3人で、いずれも若い奴らだった。


「よし、体の準備ができたから生き返らせるぞ」


 次々に死者蘇生を行う。

 5分くらいすると一人また一人と噎せ始め、何が起こったか分からず戸惑っていた。

 グラッグの姿から静かにしていたが、グラッグが泣いていた。


「ああ、良かった。あんたすげーな。死後数日経ったのにさ。皆、良かった。仲間が待っているからさあ、帰ろう」


 帰りの道すがら、グラッグが説明していた。

 女神が亡くなり加護が消え、救援隊が来るまでの経緯を。

 皆自分が死に面していて、致命傷を食らった認識があったのだ。


 大輔はかなり辛そうだった。普段は体に触らせないアマゾネスに両脇を抱えられていたのだ。力を使い過ぎてフラフラだったのだ。クレールは斥候に出て魔物を近づけない。


 ただ、帰りは大した事がなかった。行きに魔物を倒していて、まだリポップする前だったからだ。昼過ぎに34階層に着いたが、既に出発していて、伝令として2パーティーが残っていただけだった。


 弁当を食べての食事休憩だけをして、30階層を目指し歩みを進めるのであった。

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