第116話 進め
晃達は駆け足で本体を追う。幸い魔物は大して出ない。ルート上は駆除しているからだ。
但し生き返った6人は付いて行けず、ペースを落とさなくてはならなかった。
生き返りはしたが、体力は大幅に落ちているからだ。本来ならば数日は大人しくしていなければならないが、そうも言っていられないのだ。
とはいえ皆は知らないのだ。死んだ仲間が生き返ったなどとは。30階層で合流する予定だが、皆は仲間の待つ所に急いだのだ。
しかし晃達は予定外の6名の足枷がある。なので足取りは遅かった。34階層で体力が尽きて動けなくなってしまった。
相談した結果大輔達が30階層に向かい、晃達に救助を差し向けることになった。この人数で6人を守るのは厳しいのだ。
しかしもう夕方だった。
その頃中々戻らない晃達にエニーは気が気ではなかった。
おやつの時間には戻る筈が、夕方になり今は食事の準備の時間だ。
大輔が各セーフエリアに仲間を食料と共に配置していたから困らないが、何かあったとしか思えなかったが、イザベラから大丈夫だと諌められた。しかし晃についてイザベラの嫉妬が有りわざと名前を間違えながら釘を指す
「えっと、エリーさん、勘違いしてはだめだからね。晃くんは私のファーストなの。私のだから、手を出すの禁止しだからね」
「えっと、エニーですよ。あの、ちゃんとファーストだと分かってるわよ。でももう晃を共有するって決めたの。もう抱かれたのでしょ。だから次は私達の番なの!」
エニーの言葉を聞いてからイザベラの様子がおかしかった
「まっ、まさか抱かれてないの?」
イザベラが頷く
「ごめんなさい。晃が契約時にてっきりその、抱いたのだと思っていたの。じゃあ、まだ晃の初めてのチャンスがあるんだ?」
イザベラは頷くだけだったが
「いいの?専有しようとする者が多いのに」
「えっと、イザベラ様、彼かなり奥手よ。誰が初めてでも文句なしでね。誰かを抱いたらお猿さんは見境なしでしょ?そうしたら娶ると思うの。あの、私ね晃が初めてなの。その、男の人を好きになったのは」
彼女達はあまりにも奥手過ぎる晃について何とかしようとしていた。
この世界では晃は絶対的な強者になる素質がある。おまけに異世界人だ。複数の妻を娶る対象になる。エニーははなから独占するつもりがなかったのだ。イザベラも単独での晃の攻略を既に諦めていたのだ。
レヴィは幼いし、ソレイユも迫り過ぎていた。エニーも同じ徹を踏んでいたからだ。残るはルーシー位だ。既にイザベラは接触をしていて、共有の了承を得ていたりする。
エニーの苛つきがマックスになった頃、大輔が現れたのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます