ダンジョン攻略は、予備知識で決まる。――2
「いました!」
エイシュゴーストを探しはじめてから10分。レイシーが通路の先を指さした。
そこには、石片を抱えた半透明のオバケが、フヨフヨと漂っている。
エイシュゴースト:49レベル
エイシュゴーストはHP、VIT、MNDが高く、STR、INTが低い、
固有アビリティは、『所持している石片に刻まれた文字により、属性が変わる』効果を発揮する『
「よし。早速倒そう」
「みなさん、準備をしてください」
エイシュゴーストを倒して従魔にすべく、エリーゼ先輩とミスティ先輩が戦闘の準備をはじめる。
それを俺が制止した。
「待ってください。ここはレイシーとケイトに戦ってもらいましょう」
「「ふぇ?」」
いきなり俺に指名されて、レイシーとケイトが目を丸くする。
エリーゼ先輩とミスティ先輩が不可解そうな表情をした。
「しかし、全員で戦ったほうが早く倒せないかい?」
「どうしてわざわざ、レイシーさんとケイトさんに任されるのでしょうか?」
「レイシーとケイトに実戦経験を積んでほしいんです。この先のことを視野に入れると、ふたりの成長は不可欠なんですよ」
そう。ここでレイシーとケイトに成長してもらわないと、4階層を攻略できない。
だが、4階層は
レイシーとケイトに戦わせる理由を、詳しく説明するわけにはいかない。
ここは俺の言葉を信じてもらうほかないんだが……もし
「わかりました」
俺が考えていると、レイシーが力強く頷いた。
「ロッドくんが
レイシーが俺を見つめて微笑む。その瞳からは、俺への絶対的な信頼が伝わってきた。
ケイトが口元に笑みを浮かべながら
「まったくもう、レイシーはロッドに首ったけなんだから」
「ふゃっ!? ケケケケイトさん!?」
レイシーがなぜか真っ赤になり、ケイトがケラケラと声を上げる。
「むぅ……レイシーはやはり強敵だな」
「マサラニアさんを疑った自分が恥ずかしいです!」
エリーゼ先輩が唇を尖らせ、ミスティ先輩が悔しそうに歯噛みした。
4人の反応は謎だが、どうやら俺の提案は受け入れられたようだ。
「じゃあ、頼んだぞ。レイシー、ケイト」
「「はい!」」
レイシーとケイトが
『モ?』
ふたりに気づいたエイシュゴーストが、首を傾げた。
「来てください! リーリー! ピート!」
「行くよ! ガーちゃん! ケロちゃん!」
『リィ!』
『ワゥッ!』
『クワァッ!』
『ゲロッ!』
ふたりの従魔が元気よく飛び出す。
ふたりはモスベアとの対戦以降もレベリングを続け、リーリーは63レベル、ピートは52レベル、ガーガーは53レベル、ケロは51レベルになっていた。
『モ!』
ふたりの従魔を敵と見なしたのか、エイシュゴーストが臨戦態勢をとる。
互いの視線が火花を散らし――戦いの
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