第2話 高校生活
高校生活が始まる。しばらくすると、仲の良い者も出来たりする。恒例?の卒業アルバムの見せ合いをする。「おお!デカいな」とか「エロいな」とか。クラスの女子から白い目で見られても気にしないで品評会している。
「秋葉!この子いいな」どれどれと見てみれば、なんと遠山恵子だった。「そうかな?」「いいよ!なんか可愛い」意外と人気だった。山口さんはスルーされてる。「この写真の時は髪伸ばしてるけど、それまでは、おかっぱ頭だったぞ」「とてもいい!どこの高校なの?」学校名言うと、「頭も良いのか」高嶺の花だと言いたげに肩を落としている。他にも色々卒業アルバムを見せ合い、情報を分かち合った。
ゴールデンウィークも終わり、帰りの電車に一人乗っていると、別の駅から高校生が乗り込んで来た。その中に遠山さんがいた。
「帰りに会うの初めてだね」「いつもはもう少し早いのに乗ってる」「むー!私に会えなくて辛く無い?」苦笑する。「朝会えるから我慢する(笑)」遠山さんが道端で500円玉拾ったような笑顔をする。
「学校どう?」「毎朝、小テストだし、授業もペース早いよ」秀才ばかりだろうし、大変らしい。
「秋葉くんはどうなの。山口さんみたいな可愛い子はいないの?」山口さんは女子校にいっている。残念だ。純真な片想いをからかってくる。「我が校であらゆる中学の卒業アルバムを吟味したところ、俺たちの母校からはお前が一番人気だったぞ」遠山さんは大きな眼をもっと見開いて、それから僕の脇腹を小突いて「逃した獲物は大きいだろう」と二ヒヒと笑う。もとから釣ってないし。僕はソッポ向く。ご機嫌になったのか、鼻歌をうたいながら、スマホで僕とのツーショットを勝手に撮る。
「よく撮れた!」エヘヘ。嬉しそうだ。「そうだ、お腹すいたから何か食べようよ」「お金無い」「おごるおごる!決まりだね」駅のホームに着くと腕を引っ張り連れて行こうとする。「危ないよ、分かったから手を離せ」「よろしい」ずっとご機嫌なままだ。
それから二人でハンバーガーを食べて、話して別れた。家に帰り、風呂から上がって、スマホ見ると、遠山さんからLINEで電車内で撮れた写真が送られてきていた。微笑んでる遠山さんの隣に惚けた僕。今日は疲れた。
翌朝もいつも通りの遠山さんが駅前で近づいて、おはようーと言う。いつもの一日だった。
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