第2話 多摩川死体遺棄事件編

「鑑識の人から、状況を聞いてみましょうよ。

先輩。」

「分かった。」 

今も作業している鑑識の人達を避け{ 近藤 ナキ (46) }さんの所に向かう。

「お久しぶりです。近藤さん。」

「ん?あぁ、お久しぶりだね、練くん。さて、遺体の状況は結構キレイな状態だったよ異臭もしないし。

あと両腕には強く縛られた跡があるね。

そして、胸に傷があるから出血死の可能性がある。

前歯だけが無かった。

うん、以上だね。今の所は。」

「ありがとうございます。近藤さん。」

「前歯が無いのが気になるすっね。」

「あぁ。相当恨みがある加害者だな。(これは厄介そうだな。)」

「被害者の性別は男性だったね。」

「ありがとうございます、近藤さん。」

事件現場を後にして、電話を掛ける。

掛ける相手は{ 島原 宗一 (45) }

「ハイ、もしもし。あ、バレてました?」

慣れてんな、コイツ。

「バレるに決まってんだろ。」

「まぁその、ちゃんと捜査ぐらいはしてますからね。」

捜査は、優秀なのに勤務中に競輪場さえ行かなければ出世できるのに。

「被害者の身元が分かりました。

 被害者の名前は影浦吉木さんで56歳ですね。住所は東京都武蔵村山市だそうです。」

「何故分かった?」

と尋ねてみる。

「いやぁ、鑑識の近藤さんから名前が送られて来ましてねそこから住所が分かったと言う訳です。

今、被害者の近所の人に聞き込みをしてるんですが外に出たがらない性格の人らしいですね。

最近夜遅くの時に借金取りが来てるらしいです。

今の所これぐらいしか無いですね。」

「分かった。」

借金か。

それにしてもこの人は異様に毛深い。

近所の人でも分かるか?と言うぐらいには毛深い。

「ヨシ!調べを進める為一回戻るぞ。」

「分かりました!先輩!」

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