第2話 林檎と茶運び
「これ入らないだろ・・・仕方ないから留守番してろ。」
そう告げた僕の右手にはウィン、左手には口をいっぱいに開いたリュック。
「でもいつ俺様が攫われるか分からないんだぞ?何とかして連れてってくれよ!!」
まぁ確かに分からないことも無い。むしろこいつを連れて行っていかないとあの植物男に家が壊されてしまうかもしれない。
「つってもこのサイズ・・・・中々大きいんだなお前。なんかサイズとか変えられないのか?」
ダメ元で頼んでみる。しかし予想に反した有り得ない事が起きた。
「あ、なんか小さくなれた。俺の能力か?」
言葉通りウィンは先程より一回り小さい姿になっていた。まぁ話す時点で普通のぬいぐるみでは無いし、こんな事も出来るのだろうと自分に言い聞かせる。
「ひとまずは俺様が攫われる心配は無くなった。しかし何とかなるもんだな。」
そんなサラッと・・・・と思ってしまったがまぁ良い。それより学校に遅れてしまう。
僕は雑にウィンをリュックの中に入れ、教科書を詰めてリュックを背負う。
「おい!藍斗!雑過ぎるだろ!もう少し丁寧に入れろ!」
雑に入れた時に怒ったのか、背中からモゴモゴと声がする。しかもなんか蹴ってくる。
「静かにしてろ。外に出たら普通のぬいぐるみのフリしといて貰わないと困るからな。」
この歳になって音声機能付きぬいぐるみを学校に持って行っている事がバレれば、恥ずかしい事この上ない。
「むむむ・・・・」
呻き声が聞こえた後、背中から音がする事は無くなった。僕は安心すると家を出て学校に向かう道を歩き出した。
放課後
しかしまさか本当にウィンが静かにしているままだなんて思わなかった。どこかのタイミングで退屈しだして喋り出すと思っていたのだが、そこはあいつも考えているらしい。
ここは学校近くの小さな山。僕が小学生の頃はよくここで遊んでいたのだが、最近は誰も居ない。スマホの普及によるものだろう。等と1人で考え事をしていると
「オイ、そろそろ出してくれ、別にいいだろもう。」
背中から声が聞こえたので、ウィンを外に出して両手に抱く。
「ふー・・・久しぶりのシャバだァ・・・」
深く息を吸い、ウィンは身体を伸ばす。余程中は退屈だったのだろう。
「しっかしあれだな、藍斗、お前能力使えないのか?能力使えば歩かなくてもひとっ飛びなのに。」
ウィンは不思議そうに僕の方を見ながらそう言った。
「別に使えない訳じゃねぇよ。ただ誰かが上見上げてそこに空飛ぶ男子高校生がいたらどう思うよ。」
確かに。とウィンは笑いながらリュックの中のスナック菓子を取り出して食べ始める。
「お前ってお菓子食べるんだな。益々不思議なぬいぐるみだ。」
ぬいぐるみのくせにお菓子を食べ、喋り出す不思議なそいつは、あっという間に袋の中の菓子を平らげる。
「別に食べなきゃいけないって訳では無いけどなんか食べたいんだよ。味も感じるし。」
食べる必要が無いなら食べるな。と少し頭を小突く。そんな事より、とウィンが話を始める。
「ああ、そういや大切な事を言うのを忘れてた。あの植物男についてだ。」
植物男、それはウィンと出会った日に追いかけて来た謎の生命体だ。手からは薔薇のような棘を持った植物を生やしていたのを覚えている。
「あいつの能力はあまり分からないが、多方『植物の優勢形質を強めて操り、配合させる』と言った感じだろうな。まぁ足はそんなに速く無かったから今の藍斗なら逃げ切れるとは思うが。」
サラッと恐ろし事を言うぬいぐるみである。そんな事が可能なら殆どの事が出来るであろう。逃げきれたとしても、不意打ちされれば命の保証は無いだろう。
「そこでだ、実は俺の記憶の中にあるとある『人形』を探したいと思う。」
人形?僕が尋ねるとウィンはそのまま続ける。
「俺はどうやってあの路地裏に来たのか今でも思い出せないが、一緒に組織から運び出された人形がいるんだよ。」
そう言えばウィンはあの時初めて喋ったと言っていた。こいつにはまだ隠された力が有るのかもしれない。しかしそんな事お構い無しにウィンは続ける。
「んで、その人形は俺と同じ意志を持った人形。形状は茶運び人形だ。ちなみにそいつも非科学ガジェットだがな。」
なるほど、とどのつまりその人形を探して情報を得るって事だな?そう尋ねるとウィンは首を縦に振り
「と、言う事で探すぞ!意志を持った日本人形!話せるかどうか分からないけど・・・」
よし分かった。でその人形は何処にいるんだ?しかしその問いは山の頂上から発された轟音に掻き消される。
「ッ!なんだこの音?行ってみるぞ藍斗!」
ウィンは腕の中で騒ぎ立てる。まぁ流石に無視は出来ないし、もしかしたら財団の関係者かも知れない。そう思った僕は『エントロピー減少の法則』を発動し、一気に加速して頂上を目指した。
「速・・・この能力改めて考えると凄いな・・」
ウィンが腕の中で驚いているが、僕が驚きたいのは目の前に広がった光景だ。
そこでは雷が落ちた後のように煙が漂い、木々が黒焦げになっていた。しかし僕の目を引いたのはいずれのどれでも無く、その中心で佇む黒く長い髪をした和装の女であった。
「・・・ウィン・・あいつを見た事はあるか?」
財団の関係者ならここで戦闘になるかもしれない。僕は両脚に力を込め、女を睨む。
「・・・・お前・・・もしかして茶々か?」
茶々?腕の中でウィンが驚きながら和装の女に尋ねる。その問いに女はゆっくりと首を縦に振り、その瞬間ウィンは大喜びし始めた。
「やった!やったぞ藍斗!幸先いいなもう見つけた!これがさっき言ってた茶運び人形だよ!」
茶運び人形?しかしその女は本物の人間のように美しく、そして背丈も僕と同じくらいとかなり高い。
「見つけた、と言うより来てあげたのですよ?犬。」
女はゆっくりとした話し方で話しながらウィンの方を見た。
「犬って言うな!俺様の名前はウィンになったんだ、これからはそう言ってくれ。」
混乱している僕を無視するかのように人形?の女は続ける。
「いやね、私のセンサーにあなたが引っかかったので来てあげたのです。感謝しなさい犬。」
先程言ったばかりなのにもう忘れている。じつは仲が悪いのだろうか?ウィンとこの人。
「犬って呼ぶ・・・まぁいいや。久しぶりに会えたってのに早速すまんが、茶々は・・・『ニュートン』を誰かに託したのか?それともまだ手元に?」
ウィンは茶々に向かって尋ねるが、
「逆に犬あなた渡したの?あの能力。流石にそれはダメでしょ・・・」
と、思わぬ言葉で返される。ウィンは顔を背けながら
「まぁ非常事態だったし・・・」
と小さな声で呟く。どうやらあの能力は狙われる様なものなだけに、渡しては不味かったらしい。しかし返そうにも手の中に吸い込まれてしまった金色の紙はあれ以来出てくることは無かった。
「ま、まぁ茶々も『ニュートン』誰かに渡す予定なんだろ?それなら同罪だと俺様は思うぜ。」
言い訳をするように食ってかかるウィンを見ていると少し申し訳ない気持ちになってくる。しかし返せる方法は思い浮かばない。
「ああ、あれもう渡しちゃったわよ。多分もうすぐ来ると思うんだけど・・・・」
さっきウィンの事を責めていたのに渡していたようだ。落ち着いた見た目からは考えられないがかなりお茶目らしい。
「って!!渡したのかよ!!てかさっきの何だったんだよ!」
相変わらずいいリアクションをするぬいぐるみだな。そんな事を考えながら言い合う2人を見ていると、パチンと言う音と共に身体がズシッと重たくなるのを感じた。
「なっ・・・・なんでこんなに・・・クソ・・『エントロピー減少の法則!!」
咄嗟に能力を発動すると、少し身体が熱くなったあとに身体がかるくなる。
「あー茶々もしかしてそいつ?例のぬいぐるみは!!」
声がした方を見ると、そこには宙に浮きながら林檎を齧る金髪の女子高生がいた。その女は僕とウィンを交互に見た後、指をパチンと鳴らした。すると身体が急に軽くなり、今まで能力を発動していた反動で上に高く飛び上がってしまう。
「な、なんだお前!?ガジェットの能力か?」
僕が驚きながら大きな声で尋ねると、その女はケラケラと笑いながら林檎を齧る。
「ああ、美奈。そうよこの犬が話のぬいぐるみ。」
ウィンの頭をわしゃわしゃと撫でながら茶々は嬉しそうに笑う。どうやら宙に浮いている女が彼女の主人らしい。
「へ〜結構可愛いじゃない!でそっちの男は?その犬の持ち主?」
空中からゆっくり降りてくる僕を指さして美奈と呼ばれた女は笑いながらそう言った。
「よろしくね〜そこの男!!私の事は美奈でいいから!」
「オイ茶々!こいつがお前が『ニュートン』を渡した奴か?」
ウィンは頭を撫でている茶々の手を跳ね除けて茶々に大声で尋ねる。
「ええそうよ。ニュートンと言えば林檎。林檎を好きな人に渡すべきよね。」
化学に対しての愛情とかそんなんじゃなくてただの林檎好きに渡してしまう辺り、やはりこの人形は天然なのだろうか。
「ったく・・・まぁやっぱり『落ちない林檎』の能力はすげえな。」
『落ちない林檎』?ウィンに聞いたはずだったのだが、返答をしたのは美奈であった。
「ふふっ。そうよ私の渡されたガジェットは『落ちない林檎』!!引力を操る能力よ!」
ドヤァと小さい胸を張りながら美奈は得意げに指をパチンと鳴らす。すると辺りの木からガサガサと音がして一瞬で葉が全て落ちる。
「おお・・・確かに引力を操っている・・・これが他の非科学ガジェットの力か・・・・」
2回目の他人の非科学ガジェットを見た僕の驚く顔を見て、ウィンはニヤニヤと笑いながら
「でも多分藍斗の方が強いぞー」
と、嬉しい事を言ってくれる。しかし、その言葉を聞いた美奈はこちらを睨んだ後、
「いーや犬!その言葉は聞き捨てならないわ!私の能力こそ最強!なんたって植物異能者から逃げ切ったんだもの!」
植物異能者というのは多分あの日に襲ってきた異能者だろう。今ここで「僕も逃げ切った。」と言っても良いが、火に油を注ぐ事になると思い口を閉じる。
「しっかし茶々よ、お前も組織から抜け出したんだし、折角だから協力しないか?」
ウィンは彼女を探していた理由である組織の情報を得るための協力を申し出た。しかし返答は予想外のものだった。
「えー・・・でも犬、あなたの方が組織に狙われてるんだからわざわざ一緒に行動なんかしたくないわよ。」
冷たく言い切った茶々は「じゃあね。何処かでまた。」と言い美奈の元へ向かう。
しかしその時、美奈の周りが薔薇のような棘が沢山着いた草木で覆われ、彼女が閉じ込められてしまう。
「なっ・・・何よこれ!もしかしてあの植物異能・・・」
彼女の近くにはいつの間にかあの時の青年が立っている。しかし相変わらず感情が死滅したような瞳で此方を見ている。
「見つけたぞ・・・エントロピーとニュートン・・・そして茶運び人形・・・後はダー」
青年かま言い切る前に、茶々は青年に向かって日本刀を取り出して斬り掛かる。
「カーム!今すぐ美奈を離せ!さもなくば斬る!」
何度も刀を振る茶々だが、その剣閃は全て地中から生えてくる植物によって止められてしまう。
「五月蝿いな茶運び人形の分際が・・・」
そう短く抑揚の無い低い声で青年が言うのと同時に、茶々の真下から竹が生えてきて彼女を串刺しにする。
「グッ・・・・ハッ・・・」
貫かれた茶々の身体からは血こそ流れないものの、所々から電流が音を立てて流れている。
「てめぇ!茶々をよくも!」
激怒したウィンは青年に殴りかかろうとするが僕はそれを左手で止めて、
「お前が言っても捕まるだけだ。ここは俺が行く。お前は美奈を助ける方法を考えろ。」
今ウィンがアイツに捕まって人質にでもなってしまえば、更に最悪なことになる。そうなる前に決着をつけようと、『エントロピー減少の法則』を発動して構える。
「・・・それがかのエントロピーの力か・・・面白い・・・」
初めてフッと笑った青年は『メンデルの性質操作』と短く言って、両手から植物を生やして構える。
「こちらから行かせてもらうぞ・・・」
そう彼が言うのと同時に、こちらに向けて大量の竹槍が発射される。
「な・・・・クソ・・・」
能力で強化された動体視力と身体能力を駆使して何とか避けるも、2弾3弾と次々に竹やりが射出される。
「オイ!美奈も手伝え!あいつの周りの引力を強めてくれ!」
植物の檻の中の彼女は首を縦に振り、指を鳴らす。しかし相手は特に変わった様子も無く、ただ冷徹な目でこちらを伺っている。
「な、なんで・・・私の能力・・・」
どうやら何かしらの異変で能力が使えなくなってしまったらしく、彼女は何度も指を鳴らすも、何も起きる気配は無い。
「さて、どうする?エントロピーの能力者よ・・・・」
抑揚の無い冷えきった声だが、無意識に気圧されてしまう。しかしそんな自分の足を叩き、
「行ってやるよ!どの道お前がいると毎日ウィンと怯えながら帰らなきゃならないからな!!」
僕はそう自分を鼓舞すると、脚に力を込めて思いっきり前に飛んだ。その間も絶えず竹槍は発射される。しかし、やはり能力の恩恵は凄まじく一瞬で青年の前に移動することが出来る。
「なっ・・・」
青年は初めて目を見開いて驚く。そのまま殴る事も出来るが、人を本当の意味で殴った事のない僕にとってはどうすればいいのか分からない。
「遅い。」
先程驚いていたとは思えないほど冷静な目で青年は超近距離で竹槍を放とうとする。
「チェックメイトだ、エントロピーの少年。」
青年は短くそう言うと僕の真下にツルの様なものを出現させ、僕の身体を絡めとる。
「お前を殺し、エントロピーの論文を取り戻す。」
熱の無い様な声だが、その奥にはとても熱く静かな怒りがあるように思える。その怒りを感じる度に、身体を締め付けるツルの力は強くなる。
(くっ・・・・一体どうすれば・・・)
締め付けるツルの力に対抗するべく、僕も全身に力を入れるがそれでも徐々に痛みを感じてくる。その時、視界の端に先程放たれた複数の竹槍が映る。
「ウィン!その槍で美奈の周りのツタを斬れ!」
全身の痛みに耐えながら、出来る限りの大声でウィンに伝える。
「分かった!おりゃァァァ!!」
ウィンはそう言うと美奈の周りを覆う拘束に向かって竹槍を思いっきり突き刺しまくる。
ピシッ・・・・
亀裂音と共に耐久度が限界を迎えた植物は粉々に砕け散る。そしてそれと同時に美奈がパチンと指を鳴らし、青年の周りの引力を強める。
「くっ・・・・まさかあの檻が破られるとは・・・・」
重圧に耐えきれずに青年は膝をつく。それと同時に僕の身体を締め付けるツルの力が少し弱くなる。
「今だっ!!!」
一気に全身に力を入れ、その溢れる力で拘束を打ち砕く。そして体勢を建て直し、目の前にいた青年を100パーセントの力で殴りつける。
「グハッ・・・」
青年の真下だけ引力が強まっているのか、青年の身体は微動だにしない。しかし痛みは感じるらしく、明らかな苦悶の表情を浮かべる。
「仕方ないな・・・ここは一時撤退だ。」
そんな声が、聞こえた気がした。すると、先程まで目の前にいた青年の姿は無く、代わりにポッカリと空いた穴の中に一輪の花が置いてあった。
「この花は・・・?」
穴の底に降り立った美奈と僕、そしてウィンはその花をまじまじと見つめる。しかし誰からも答えは出てこない。
「その花の名は薊。花言葉は『報復』・・・怖いねぇ。」
背後から聞こえるその解説の主は、先程胴を貫かれたはずの茶々であった。しかしその身体には傷一つ無く、何事も無かった様だ。
「なっ・・・なんで?さっき刺されてたのに・・・」
困惑する僕と美奈、しかしウィンだけは腕を組んで白目を向き、失神していた。どうやらビビりすぎて意識を失ったらしい。
「馬鹿だねぇあんたら・・・私は一応非科学ガジェットよ?あんなもん効かないわ。」
しかしそう言われても腑に落ちない。確かにこの目で茶々の身体が貫かれる瞬間を見たのだ。その疑念は、直ぐに解消される。
「私のガジェット名は『1杯の茶とひと握りの身体』能力は『自身の身体を構築する物質を全て体内に仕込んだ日本茶から供給する。』と言った感じよ。」
彼女は胸のロックを解き、その中にあるペットボトルを指さしてそう言った。
「な、なんだぁ・・・心配したじゃん〜」
笑いながら駆け寄る美奈、しかし辺りに散らばった植物の残骸に躓いて転倒してしまう。
「全く・・・私が居ないとやはりダメじゃないか・・・」
イテテ、と言う美奈の手を取って茶々は笑顔でそう言った。そしてこちらを振り向き、頭を深々と下げた。
「礼を言う。犬の主人よ。私の主人を助けてくれて、ありがとう。」
茶運び人形に感謝されると言うなんとも不思議な経験をした僕であったが、1秒と経たずにすぐに頭を上げた茶々を見て、少し笑ってしまった。
もうすっかり夕方になった山頂に、2人と一機の笑い声がこだました。
ちなみにウィンが意識を取り戻したのは夜だった。
そこから遠く離れた異国の地、ラプラス財団の支部では、とある刺客の登場によりてんてこ舞いだった。
「侵入者はBフロアを破壊、間も無く管制塔に到着します!」
慌てた職員の声は、着々と近付いてくる破裂音にかき消される。
「不味いもう・・・・」
その言葉は、恐ろしい程の電流が起こす破壊によって闇に葬られた。
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