文化祭って王道だと思います1
そしてとうとう文化祭初日。
「全くどうしたものか」
そんな独り言を吐き捨てるほど俺は考え事をしていた。
俺はまだどちらの告白にOKと答えるか決めれていなかった。
そんでもってそのことを考えていると全く寝れなかった。
「全くモテる男は困るぜ」とか言えたらちょっとは楽になれるのかな。
まあ俺にはそんな度胸ないですけど。
とりあえず学校に行かなければならないので素早く準備をした。
ベットから降り、制服に着替え、学校の準備をし、部屋を出て、朝ごはんを作ってから妹と一緒に食べ、靴を履き家を出て学校に行った。
こういう時ってなんか早めに学校に行きたくなるよね。
早く家を出たせいか、教室には六人ぐらいしかいなかった。
いや言い方が違うな、もう六人だ。
まだ七時二十分だぜ?なんでこんなに人いるの?
まあ文化祭当日だからか。
「おはよう蓮」
「おはよう」
今話しかけて来たクラスメイトその一はいつもこの教室に一番乗りで来ているらしい。
そんなに早く来る必要あるの?って思うんだけどそこのところどうだろうか?
「なんだ今日は早いのね」
「まあな」
今話しかけて来たのはクラスメイトその二は・・・よく覚えていない。
というかぶっちゃけこんなに早く来る必要なかったんだけど・・・。
なんだったら今ちょっと早く来すぎたことを後悔してる。
とりあえず寝るか。
まあ今こそどっちにするか考えるべきなんだろうけど・・・まあ今すぐ決めれるもんじゃないんだけど。
という事で俺は文化祭の最終準備をすっぽかして机に突っ伏して少しの間寝ることにした。
「ーきて、起きて!蓮」
「ひゃい!」
耳元で急に自分の名前を叫ばれたせいで気の抜けた声が出てしまった。
誰だよ全くうるさいぞ、耳元で叫ぶなんて小学生か?
「ああ、佐藤か」
「なにその反応」
声の主は佐藤だった。
全く幼稚だな佐藤、俺と比べてみろ・・・うん少しは勝っているはず。
「全くうるさいじゃないか、鼓膜が破れるかと思ったじゃないか」
「あのねぇ、文化祭直前になにもしないで教室にある自分の机で寝てる人に言われたくないんだけど」
「その件については本当に済まないと思っている。ところで今何時?」
そう、今の時間によって俺の罪の重さが決まるのだ。
「今は七時五十分だね」
「なるほどレベル四ってところか。ちょっとやっちゃったかな」
ちなみにレベルは五まであるからちょっとだけ高いってこと。
まあ別に俺は文化祭が始まるとそんなにやることないし別にいい気がしたんだけど前準備だからそんな事ないと気づいたのはそのすぐ後だった。
「ごめんちょっとなに言ってるかわかんない」
「それは・・・仕方ない」
全くこれだから話の通じない奴は!とも思ったが俺自身よく分かっていなかったためそれは仕方ないなと思った。
「とりあえずコレ持ってって」
「分かった。どこに持って行けば良いんだ?」
「それはここから約六メートル先の教室を出てすぐの所かな」
そのくらい自分でやってほしい・・・と言いたいけど寝ていた事もありあんまり強く言えないのが現実。
とりあえず言われた通りにやるために廊下にその看板的な奴を持っていこうとしたんだけど、思ったより重かったにはちょっとびびった。
これは佐藤じゃ持つのは難しいかな。
転けそうになりつつもきちんと佐藤に言われたところに置いて来た。
そして数分後ついに人生初の文化祭が始まった。
まあでも俺は文化祭が始まったらやる事ないから適当にぶらつく事になるんだけど、佐藤と加藤さんは可愛い事もあってもちろんメイド役をしているから今日は午後からしか遊べない。
つまりなにが言いたいかと言うと、俺が今日午前中一緒に回るのは沓沢という事だ。
まあ沓沢以外にも午前中暇な奴とか、沓沢以外の力仕事、つまり準備係の奴らとかも居たんだけど別にそこまで仲良くないので仕方なく沓沢と回る事にした。
でも俺とは違って沓沢は一緒に回る人は俺以外にも居たみたいだけど、特に女子。
「じゃあ沓沢まずはどこに行きたい?」
「どこでも良いよ」
このとうり男子二人で回ろうとしても特に二人ともやりたいことはなく、あんなに楽しみにしていたのが少しだけ馬鹿らしくなった。
やっぱりあれかお祭りは準備している時が一番楽しいってやつか。
お互いにやりたいことが見つからないままぶらぶら歩き始めて五分後ぐらいに少しだけ興味を惹かれる物があった。
まあこんなに持ち上げておいてなんだけどただのお化け屋敷だ。
「でもこれかなり作り込んでるよな」
「うんそうだね。確かに作り込まれてる、さすが二年生って感じだね」
そうここは一年生のスペースでも三年生のスペースでもなかった。
理由はいくつかあるけど、一年生は初めての文化祭であんまり楽しそうなものが無かったってのと三年生は劇や演奏がメインだったからとりあえず今すぐに楽しめそうな二年生のスペースに来たわけだ。
「とりあえず入ろうか」
と言っても教室一つ分なのでたかが知れていると思っている。
「うわ!?」
「きゃ〜」
「あ〜〜!」
まあ中から聞こえる悲鳴に関してはなにも聞こえない事にしておいた。
もしかしたら思っている何倍も怖いのかも知れないとその瞬間思ったのは内緒。
「じゃあ入るか」
「そうだね」
そうして俺たちはお化け屋敷に入った。
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