本当の真実と恋1
十一年前だって?なんだよそれ。
というかいくらなんでも少しくらい覚えていてもいいと思うんだけど、何一つ覚えてないのが不思議だ。
「あのね蓮ちょっと話があるの」
その声を聞いた瞬間に俺は正気に戻って一度冷静になる事にした。
ああそうかここには元々俺が佐藤を呼び出したんだった。
加藤さんが現れた事と今の発言のせいで完全に存在を忘れていた。
つまり俺にはそのくらい衝撃的な事で。
何故ならそれは加藤さんが原因で俺は振られたばかりで、しかもその理由が俺の片思いが続いていたと言うもので。
俺にはその真実は重すぎた。
このタイミングじゃなければ冷静に受け止められる可能性があったかもしれない。
だけどタイミングがタイミングで今この状態の俺にはにが重すぎる話だ。
でもだからこそ聞かなきゃいけない。佐藤の話を。
「ちょっと場所を変えよっか」
「ああ」
数分後佐藤の部屋に連れていかれそこには沓沢もいた。
「やあ蓮こんにちは、でいいのかな?」
「ああ、いいと思うぞ。と言うかなんでそんなに改まってるんだよ」
なんだこいつ今日なんか変だぞ、なんか礼儀正しいと言うかなんと言うか。
「覚えてないかもしれないけど実は蓮、君は昔、加藤さんとあっているんだよ」
「何言ってんだよ沓沢、あってる訳ないだろ、会ってたら覚えてるに決まってる」
本当に何言ってんだ。そんな訳ないだろ。
俺がそう思った次の瞬間にとんでもないことが明かされた。
「あのね蓮くん、実はここに居る四人は実は私たちは十一年前にすでにもう会っているの」
その言葉が聞こえた時俺は心臓が飛び出るかと思った。
は?なんだよそれだって俺にはそんな記憶はないんだぞ?そんなことあるはずが無い。
あったらきっと覚えているこんなに特徴があって忘れる訳が無い。
そう思った蓮は様々な質問をした。
「俺は五歳の時何幼稚園だった?」
「邦美幼稚園」
「俺は五歳の時何が怖かった?」
「お化け」
「俺はどんな感じの子供だった?」
「やんちゃで甘えん坊」
それでも三人とも全て当てて来た。
ここまで当てられたら信じるしかないじゃないか。
「これで信じてもらえたかな?」
「ああ、でもじゃあなんで俺はお前たちを忘れてんだよ」
「それは知らないよ、私たちは初めて中学校であった時蓮が忘れてるなんて知らなかったもん」
確かに入学初日からやけに馴れ馴れしかったかこいつ。
「そして私も転校して来て初めてあなたを見た時やっと会えたと思ったのに忘れていて、佐藤さんたちにも話を聞いたら忘れてるって言うし、どうしたのかずっと気になってたんだよ?」
「それは・・・、なんかごめん」
まじで俺はこの三人と昔合っていたのか?
でもだとしたら何故忘れているのか。そして何故同じ小学校に通わなかったのか。
それだけが気になったため蓮は思い切って質問した。
「あのさ、それならなんで同じ小学校に通わなかったの?」
「本当に覚えてないのね。いいわ教えてあげる」
この質問をした時俺はもう緊張と真実を聞かされた驚きで、背中が汗でビショビショだった。
「佐藤さんお願いできる?」
「うん!後さ、もうさん付けはいいから」
その会話を聞いて本当に昔からの知り合いなんだと改めて知った。
「えっと確か、沓沢が受験で別の小学校に行って。私と加藤ちゃんは親の転勤で別の小学校に行っただったかな?」
「ええ、そうよ。ありがとう佐藤さ、佐藤ちゃん」
「なんか今の歳でちゃん付けで呼び合ってると違和感すごいね。ちゃんはなしで行こう」
「そうね」
そんな会話は到底俺の頭には入って来ない。
そんな事をしていたら今のことを思い出せない。
「まあだからこの四人はもうすでに会っていたの」
「どうだ蓮?お前の好きな蘭べみたいだろ?」
「まあ確かに」
確かにラノベみたいだ。
でもこんなラノベ出したら、
「ご都合主義もいい加減にしろ!」
って叩かれてるだろうな。
そしてそんなふざけたことを考えていると猛威とつとんでもないことが明かされる。
「そしてね蓮、よく聞いて」
「う、うん」
まだあるのか?とも思ったがここは聞いておく事にした。
「実はね、私も佐藤もあなたのことが好きなのよ。十一年前からずっと」
それを目の前で明かされた時真っ先に思ったのは喜びでもなければ驚きでも無い。
そう、その瞬間にいたら誰でも思うだろう。
『現在君の彼氏である沓沢の前でそんなこと言っちゃうの〜〜〜〜?』
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