何度でも恋は散る1
昨日の夜結局あまり眠れず正直とてもとても眠かったりするわけだが、そんな俺にとても元気そうに話しかけてくる。
俺の眠気の元凶である佐藤だ。
「ねぇ今日どこにいくと思う?」
そういえば俺が考えて来なかったら佐藤が考えてきてくれたんだっけか・・・、そこだけ見るといいやつじゃん、あれこんなにこいつ優しかったっけ?
「知らん、ファミレスとかか?無難だし安いし」
「そんなわけないじゃん!てか安いからってなによせっかくのデートなのにお金の事考えててどうすんのさ、もっと楽しまないと!」
確かに一理あるが、お金の事を気にしちゃダメは無理だろ破産するわ。
「わかった、わかったからもう少し声を音そうなみんな見てるからな」
視線が気になる特に男子生徒の集団による視線が!
「ああごめんね〜、なんかいつの間にかデカくなってるよね〜」
「その自覚があるなら少しは直す努力をしろ!」
軽く頭を殴ってやるとイテッっと言いつつ頭を押さえつけた。
このぐらいやらないとこいつは反省しないからな。
それは今までの経験から考えられる憶測なんだけどもこれがまた結構当たるのだ。
そんな事を考えていると佐藤が如何にも悪巧みしていそうな顔をしながら、
「ねえ、キスする?」
「え?」
それはあまりにも突然のことで俺は呆気に取られたような声を出した。
その直後正気を取り戻した俺は改めて今の会話を思い出していく。
すると「キスする?」のところを思い出した瞬間顔が赤くなっていくのを感じ少し後ろに飛び下がり顔を逸らした。
「なんでそこで逃げるのさ、蓮の根性なし」
そんなこと言われても誰でもこうなるだろ。ならない奴がいるなら教えて欲しいぐらいだ。
「そんなこと言ってもこれが普通の反応だと思うぞ?」
「そうかな〜?」
「絶対にそうだ!」
つい叫んでしまった。
今さっき佐藤に声が大きいと言ってしまった直後の事だったので急いで佐藤の方を見ると、やはり今にも今のことを弄ろうとしてこようとかという表情を浮かべていた。
「あれ〜蓮〜?さっき声がでかいって注意してきたのは誰だったかな〜?」
やばいめっちゃウザいでも何故か可愛いと感じてしまう。
何故なんだ?と考えていると佐藤が顔を近づけてきた。
「ねえ〜」
こいつはここが学校だということをそれでいて俺たちが付き合っているのが秘密だと言うことを忘れてるんじゃないのか?と思ってしまう。
「黙れ。ほらチャイム鳴るぞ」
「は〜い。じゃあまた放課後ね」
「あれ?今日は一緒に弁当食べないのか?」
「うん。ちょっと用事があって」
顔を俯かせ少し声のトーンを落として佐藤はそう言った。
これは何かあるな。例えば告白されるとか?
いやそれは無いか。佐藤だし。
そうこの時俺はあんな事になるなんて思ってなかった。
※ ※ ※
そして昼休みになり何かが怪しいと思い、佐藤のことを武功する事にした。
少しストーカー紛いなことをするのには気乗りしなかったが何かがあってはいけないと思い俺は尾行する事にした。
まあストーカー紛いなにもやってることは完全にストーカーなんだけども。
そんなことを考えつつ尾行を続けていると屋上にたどり着いた。
屋上ってことはやっぱり告白するのかな?
佐藤なんかに告白するんだろう、まあ現在付き合ってる俺が言えることじゃないけど。
「ん?あいつは・・・誰だっけ?」
俺はその時に目の前にいたやつを頑張って思い出そうとした。
「あの佐藤さん!」
「ひゃ、ひゃい」
あいつ緊張しすぎだろ、なんであそこまで緊張してるんだ?
「あ、あの、僕と付き合ってください!」
なんだこの悪寒というかなんというか、とりあえずなんか嫌な予感がする。
「え、えっと、いいよ?」
『え』
「まじで?やったー」
なんで?え?いいよって、なんで?
俺はその瞬間、目の前で起こった事に困惑し、言葉が、感情がよくわからなくなった。
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