そんなのってアリかよ2
数日後
結局あの後その場を濁してその場を後にして昼休みは終わり午後に授業の合間の休み時間も露骨に避けその日はもう会話どころか顔まで逸らして無視をした。
今思えばとても失礼でサイテーでそしてとても情けないことをしたと思っている。
何故ならその行為は彼女の行動に対して目を逸らし続けている事になる。
彼女はきっとあの言葉を口にした時とても勇気が必要だっただろう、それでも情けないとわかっていても俺はその行動をするしかなかった。
だってその直前に俺は失恋したんだから。
そんなことは彼女には関係ないかもしれない、でも俺にはとても重要なことで目を逸せないことだった。
そして憂鬱感に浸りながら俺は相談する事に決めた。
まあ、情けない事に俺の相談できる人なんて限られている訳で結局はいつも通りに妹に相談する事となった。
「で?何か用があるんでしょ?」
妹は半ば面倒くさそうにこちらを向いてそう言った。
「う、うん」
「で、何かあったの?その顔から察するに加藤さん関連だと思うけど」
「お前には全部お見通しなんだな本当に、心でも読んでるんじゃあないのか?」
本当にこいつは全てを知っているかのように振る舞って来るな昔から。
そしていつも真面目な時はいつも真剣に聞いてくれてそしていつも優しい。
「そうだよ、実は読んでるんだよね〜」
「まじかよ!」
まあ嘘だろうけど、ここは乗っていてやるか。
「あ、今「嘘だろうけど、ここは乗っていてやるか」って思ったね?」
「え?まじで読めるの?」
嘘だろ?本当に読めるのか?
「そんな訳ないじゃ〜ん、わかりやすいね〜本当にあにぃは?」
「え?そんなにわかりやすいのか俺は?」
「うん」
え〜じゃあもしかして俺が気づいてなかっただけで俺が加藤さんに恋してたのわかってたのかな?人間って自分が自分のこと一番わかってないって言うし。
「まあとりあえずあったことを話すぞ?」
「うん」
数分後
「なるほどね〜」
「はい」
「それってあにぃが悪いじゃん」
「え?そうかな?」
「いやそうでしょ」
そうかな?それなりの理由があったと思うんだけど。
「だってそれってあにぃがただただ自分のために理由を探して逃げてるだけじゃん」
「え?」
た、確かにそうなのかも、でもだとしたら俺本当にただの意気地なしなだけじゃ・・・。
「でもだとしたら、俺はどうしたら?」
「そんなの佐藤さんにちゃんと向き合ってあげるしかないんじゃないの?」
やっぱりそうなのかな?向き合うしかないのか?でもだとしたら俺は何て答えたら、良いんだろう?
あいつのの覚悟を無碍にするのは気がひける、でも自分の気持ちに嘘をつくこともできない、でも加藤さんは沓沢と付き合う事になった訳で・・・、
「どうしたら良いんだろう?」
「そんなの自分で考えなよ」
そんなことはわかってるんだけど、それでも、
「それでも、俺どうしたら良いのかわかんないよ」
「え?何それ、じゃあもう私ももう中二だしこれからは「あにぃ」って呼ばないよ?」
え?それは、それだけはいやだな。
「ごめんなさい、それだけはいやです、ちゃんとしますから」
「もう、本当にあにぃはシスコンだなぁ〜」
え?これってシスコンに入るの?俺はいらないと思ってたんだけど。
「まじで?これってシスコンに入るの?」
「え?今まで自覚なかったの?」
「うん」
まじかこれってシスコンだったのか。
今初めて知ったぞ、も、もしかしてみんな気づいていたのか?
俺は少し冷や汗をかきながら、
「もしかして、みんな気付いてた?」
「え?そんな関わりのない人は知らないけど佐藤さんに沓沢さんそれに小林ちゃんも!」
まじかそんなに知られてたのか・・・。
「それって本当?」
「うん」
とりあえず佐藤にどうやって話しかけようかな?
「じゃあ、どうしたら良いと思う?」
「まあとりあえずその佐藤さんからの告白に返事をしたあげてらどうかな?」
「だよな〜」
とりあえず会いに行かなきゃ行けないよな。
「まあとりあえずお茶にでも誘って話して来るよ」
「お?さりげなぐデートに誘うとはなかなかやりますなあにぃも?」
「そんな訳あるか〜〜!」
「うるさいぞ、蓮!」
そうだったもう親帰ってるんだった。
次の日
「なあ佐藤?」
「なにさ、急に話しかけてきて、最近無視ばっかしてたのにさ?」
俺は少し緊張しながらも、
「そ、それはごめん、それよりさ、今日放課後お茶でも行かないか?」
「え?本当に言ってる?」
「おう」
何か変な事言ったかな?
「・・・良いよ」
「本当か?」
「うん」
良かった断られでもしたらちょっと悲しんでたぞ、いや本当に。
「で?何時に集合するの?」
「今日一緒に帰ろう」
「え?意外と蓮って大胆?」
「なんか言った?」
「言ってないよ馬鹿蓮」
え〜、何だよそれ本当にわかんないやつだな。
「じゃあまた後でね」
「おう」
そして数時間後・・・
「よっ!蓮」
「おう、佐藤」
「行こっか」
それでも何だかちょっと楽しいな、これ。
そんなことを考えながら歩いていき喫茶店に着いた。
「何頼む?蓮」
「じゃあカフェオレで」
「そこはカッコつけて「ブラックで」って言わないところが蓮らしいよね」
「そうか?ありがとな」
そう言った瞬間佐藤の顔が何だかすごく赤くなった気がした。
そういえばこれってデートみたいだな、やばいこの前のこと思い出すとちょっと恥ずかしくなってきたかも。
「そ、それでさ今日、呼んだ理由なんだけど・・・」
「・・・うん」
何故か俺だけでなく佐藤の顔が赤くなったのは気になるけど・・・。
「えっとな」
「うん」
それと同時に佐藤の顔が少し暗くなった気がした。
「お前が良ければ付き合ってくれないか?」
「え?」
少し嬉しそうだ。こんな佐藤を煮るのは久しぶりだ。
「いや、お前のことが気になってはいたしお前と一緒にいるとなんか楽しいしさ・・・」
「本当に?良いの?私なんかで?」
こんな事よく言えるよな俺。
「ああ、俺もお前がいてくれると嬉しい」
「で、でも加藤さんは?」
やっぱりそこを気にして来るよな、佐藤なら尚更。
「加藤さんは沓沢と付き合ってるしさ、それに加藤さんに恋してるって気づいたのは最近だし」
「そ、そうなんだ」
でもなんか本当にこうしていると何だか、楽しいな。
「これからもよ、よろしくな、佐藤」
「う、うん、よろしくね蓮」
少し戸惑いながらも赤面しつつ黙り込みながら見つめあっている二人であった。
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