これはどういうことですか?
そんなのってアリかよ1
う、嘘だよな?本当に言ってるのか?
まあ友達ですらなかったし別に良いんだけど・・・。
何なんだろう別に仲が良かった訳でもないのにこの後ろめたさというか嫉妬感というか、この感情が俺にはわからない。
「そ、それってまじかよ」
俺は何故か胸が締め付けられるような気がした。
「おう、まじだぜ」
「それは良かったな」
俺はこの気持ちが何かわからなかったために自分の気持ちは表に出さなかった。
「なあ蓮、なら、良かったなって思ってるなら何でお前泣いてんだ・・・」
「え?」
嘘だと思って頰に手を当てると確かに俺は泣いていた。
何でだ?そんなに仲が良かった訳じゃないのに、何なら友達でも・・・・この言い訳はそろそろやめよう。
そう、俺は今気づいた、いや本当は前からあの夏休み明けの始業式の日に初めて会った日から、俺は加藤さんのことが好きだったんだ。
でもそんなことに気付いてももう遅かった。
何故ならもう加藤さんは沓沢と付き合う事になったんだから。
とにかく誤魔化そうと俺は泣き止み、胸尾羽ってこう言った。
「これは嬉し泣きだよ、親友が最高の彼女を作った事に対してな」
「そ、そうか、なんか照れるな」
そうこれで良いんだ、もう今更遅いんだ。
「とにかく、おめでとう、沓沢」
「ありがとう蓮」
「じ〜〜〜」
「ところで蓮、君はなんでずっと佐藤さんに睨まれているのかな?」
「え?」
俺は急いで振り向くと、本当に佐藤は俺のことを睨んでいた。
「な、何だよ佐藤」
「何でもない、それより一緒に昼ごはん食べようよ」
「え?でも俺沓沢と」
「良いよ良いよ食べてきな」
良いよと言われても俺はまだ混乱している。
親友が最高の彼女を作った、でもそれは俺も好きだった人で、しかも俺はその報告を聞いて泣いてしまった訳で。
「そう?なんか悪いね〜沓沢くん」
「良いよ良いよ全然」
「そっか、じゃあ行こう蓮」
「お、おう」
そして佐藤に連れられ屋上で一緒に食べる事になった。
「ねえ蓮?」
「何だよ急に『一緒に昼ご飯食べよう』って言い出して屋上に連れてきて第一声がそれか?」
「うんそうだよ、それでね蓮」
「お、おう」
なんか真面目な雰囲気だな。
この雰囲気どこかで感じたことがあるような気がするんだよな〜、いつだっけ?
「あのね!蓮、違ったらごめんなさい、あのさ蓮って加藤さんのこと好き、だった?」
え?何でそんなこと聞いて来るんだ?
「ああ多分」
俺はその時少し顔を赤くした。
「そうなんだ」
何だこいつのこの感じ、まるで失恋したような、そうさっきの俺のような。
「いや〜それよりびっくりしたね、沓沢くんと加藤さんが付き合う事になったなんて」
「何でお前がそんな事知ってるんだ?」
「えっとねちょっと盗み聞き?」
な、何だあいつらが付き合ってるのもう広まってるのかと思った。
「でもそれってさ蓮、失恋したって事だよね?」
「おうそういうことだな」
何だこいつ随分とストレートに来るな。
「ところでさわたしの好きな人って誰だかわかる?」
「い、いや?」
「教えて、欲しい?」
「え?」
何だこいつ最近こいつなんかおかしいぞ?特に加藤さんが転校してきた時から。
「教えて欲しいの?教えて欲しくないの?どっちなの!」
「わかったわかったからもうちょい声のボリューム下げて」
「あ、ごめん」
本当に最近こいつの様子がおかしいぞ?
「じゃ、じゃあ、教えて欲しい」
「え〜それが人に頼む態度〜?」
こいつはどんな時でも変わらないな。
「ぷっはは」
「何笑ってんのよ」
「ご、ごめん」
こいつといたらいつでも退屈しないかもな。
「で?結局誰よ?」
「ちゃんと頼んでよ!」
本当に面白い、こう言う奴が一緒にいてくれたら・・・・。
「わかった。あなたの好きな人は誰ですか?」
「えっとねそれは・・・」
「それは?」
「もう鈍感だな本当に蓮は中学の時から・・・あのね私の好きなのは蓮、君だよ」
「え?」
本当に最近は「え?」と思わされることが多すぎるよ・・・。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます