これは恥ずかしいな3
⬛︎
そして俺はとりあえずそのまま真っすぐ家に帰った。
「ただいま〜」
あれ?妹のあの気怠そうな「おかえり〜」と言う返事が返って来るはずなのに。
「お〜いどこだ〜妹よ〜」
あれれ?あれれれれ?本当に帰ってこないぞ?
まさか!帰ってないのかまだ?今日はもう夜七時だぞ?
もし、もしかして、彼氏か?!
「そんなのお兄ちゃんは認めませ〜〜〜ん!」
「何を夜に叫んでんのさあにぃ」
「なにぃ〜」
「は?うるさいよあにぃ」
びっくりした。なんだ風呂に入っていただけか。
「す、すまん」
「いやなんで謝るのさ」
「そ、そうだな」
いや〜本当に焦った。
もし彼氏なんかだったらそいつの家に行って一発殴っていたところだぞ、いや本当に。
数分後
「で?結局どうなったのさ」
「えっとだな実は・・・」
またもや数分後
「なるほどね〜で、にぃはその『デジャブ』を『ふしぎ』に感じた訳だ」
「はい」
待ってなんでいつの間にかこんなに偉そうにしているの?
「でもさそれってにぃの勘違いじゃないの?」
「そう言われると何も言えないです」
確かにそうかも、あれは俺の気のせいでただ単に独り言を言っていたのがデジャブに感じただけ、なのかもしれない。
そして羽耶音は悩んでいたが少しすると顔を二パッとさせて、
「じゃあ加藤さんと佐藤さん両方に聞いてみれば良いじゃん」
「は?」
「は?」
待て待てそんな度胸俺にはないぞ。
「は?じゃなくてそんな度胸俺にあると思ってるのか?」
「え?思ってないよ?」
「じゃあ言うなよ」
本当に無理だとわかっていながら言うのがこいつのSっぷりをよ〜くsら表してるな。
「いや〜だって言わなきゃ解決しないじゃん」
その言葉を言われて俺は少し顔を下向かせた。
「そ、それはそうだけども」
「じゃあわかった、あにぃ加藤さんとデートしてきて?」
「は?」
「は?じゃなくてデートしてきて」
え、待ってこいつ何言ってるの?
「いやいや無理でしょ」
「頑張るんだよ」
「え〜」
数日後
俺は学校につき本を読む・・・ふりをしていつ告白しようか気を待っていた。
まあ気を待ち過ぎて今は昼休みになってしまったのだが・・・。
「よう蓮!」
「うるさいぞ沓沢」
「まあまあ、それでさ良い事があったんだよ」
「なんだよ」
ま、待てよ、なんだか嫌な予感がするんだが。
俺は冷や汗をかきながら顔を硬らせ背中をピシッとさせた。
「時、実はな、お、俺加藤さんと付き合う事になったんだ」
「え?」
その瞬間、俺は緊張が一気に抜け気の抜けた言葉を発してしまった・・・・。
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