これは恥ずかしいな2
結局その後二人はぎこちなさはありつつもデートと言ってもいいレベルのことをして、ひと時の時間を過ごした。
もちろんそのひと時はとても楽しく有意義な時間だった。
ただ一つだけ不思議な事があった。
それはデート当日の午後五時の事だった。
「ねぇ蓮?」
「なんだよ急にそんな真面目っぽい声のトーンで」
なんだ急にこいつがこんな真面目な声で喋りかけて来るなんて珍しいな、何かあったのかな?
「今って好きな人いるの?」
え?待ってちょっと待ってなんかこの展開、デジャブ感あふれる感じは。
「い、いないけど」
「良かったまだチャンスあるんじゃん」
「ん?なんか言った?」
「ううん、何にもないよ」
「そ、そっか」
待って本当にこれってデジャブ?
「とりあえず帰ろっか」
「そうだな」
そうこの一瞬の出来事こそが不思議な事だった。
まあ不思議な事と言っても彼女とのやり取りにものすごい『デジャブ』を感じただけなんだけども。
⬛︎
一方その頃沓沢と加藤はこんな事になっていた。
「か、加藤さん僕と付き合ってください!」
「・・・・良いよ」
「え?まじですか」
そう、沓沢と加藤は沓沢の考えたデートプランにより順調に進んでいき最後の別れ際に沓沢が加藤に告白したのだ。
「本当か?よかったやっと叶ったよ十一年越しの片思いが」
「え〜それって沓沢と私が初めて出会った頃じゃん」
「そうだよ、俺はお前に一目惚れをしてたんだ」
なんと沓沢と加藤は幼馴染みだったのだ。
そしてなんと沓沢は十一年という長い月日一目惚れしていたのだ。
「そっか。そんなに長い間片思いしてたんだ」
「おう俺途中で諦めようともしたんだけどな」
「なんで?」
「それはお前、ずっと『あいつ』の事が好きだっただろ」
少し顔を硬らせて沓沢は言った。
「気付いてたんだね」
「あったりまえだろ、自分の好きな女の子の好きな人を知らない訳ないだろ」
「気持ちわる」
「ハハ、それより良かったのか?気づいてるんだろ蓮があいつだって」
「良いの、今はね」
少し加藤は寂しそうな顔をしてそう言い放った。
そう、加藤も沓沢も昔、幼い頃「蓮」に会っていて沓沢の恋愛のライバルだったのと同時に加藤の初恋の相手だったのだ・・・・。
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