第36話:公園で昼寝
全然投稿できなくてすまない……。
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「お兄ちゃん大丈———ってあぁ!?」
華が追いついたが、顔が般若のように怖い顔になっていた。
「お兄ちゃん……これはどういった状況なの……。あと、あなた誰……」
今の心音は帽子をかぶり、サングラスをかけていたので華は誰かわかっていなかった。
華は仁王立ちしながら手をボキボキと鳴らしていた。
「わ、私だよ華ちゃん!」
慌てて帽子とサングラスを取り、華に自分の正体を明かした。
「あぁ……あなたでしたか……ってそれでも問題だよ!!」
「えと……春渼さんごめんなさい……」
僕は犬の方を向き、犬を警戒しながら春渼さんから離れた。
「あっ……」
春渼さんは小さく声を上げ、少し残念そうな顔で僕を見ていた。
さ、流石に抱きつくのは迷惑だったかな……いや、迷惑だろうな……。
「春渼さん……ご、ごめんなさい……」
七美はシュンとした表情で、しかも潤んだ目で心音に向かって謝っていた。
「ゔごぉぉ……罪悪感の嵐ィ……。大丈夫だよ七美くん!!全然大丈夫だったから!!」
春渼は鼻息を荒くしながらガッと肩を掴み、そう言った。
春渼にとっては至高のご褒美であったからである。
「ほ、本当ですか……?」
「本当本当!」
よ、よかった……。嫌われてしまっていたら嫌だったから……。
「とりあえず近くの公園で休まない?」
「はい!」
春渼さんがにこっと笑いならそう言ってきたので僕も返事をした。
『ワンッ!!』
「みゃぁぁぁあ!!」
七美は犬が吠えると同時におかしな悲鳴をあげてびっくりしていた。
((可愛い……))
手で口を押さえながらプルプルと震える華と心音であった。
〜〜
三人は少し歩いて一番近くの公園につき、ベンチに座っていた。
「七美くん今日はどこへ行く予定だったの?」
「今日は特に予定も決めてなくて、ブラブラと散歩するか予定でした!」
「そうそう!お兄ちゃんと二人きりで散歩する予定だったのにぃ……」
その後も他愛もない話をし、ベンチに座りながら風を感じていた。
「んー……?」
あれ……?なんだか瞼が重くなってきた気がする……。
木陰がちょうどベンチと重なっており、心地よい気分になった七美は眠気を感じていた。
そんな七美の異変に素早く察知した華は、七美を自分のほうへ引っ張った。
「んー?華ぁ…?」
「お兄ちゃん、寝てもいいよ?」
七美はそのまま華のほうへ倒れ、華に膝枕されている状態になっていた。
そして目を閉じて眠ってしまった。
「華ちゃん……羨ましぃ……」
「お兄ちゃん、病み上がりだから疲れがたまってたのかな?」
「え!?風邪ひいてた———んむぅ」
「しー!!」
華が心音の口を押さえ、大声を出すのを阻止した。
「ご、ごめんね……」
「全く……起きたらどうするんですか」
華はニヤニヤとしながら七美の頭を撫でていた。
「ん〜、もっと……」
「「んんんん!!」」
二人は七美を起こさないように声を殺して悶えていた。
「はぁ…はぁ…、世界にこんなに可愛い男の娘がいるなんてびっくりだわ……」
「もう本当に自慢のお兄ちゃんですよ」
二人は鼻をつまみ、鼻血が出ないようにしながら喋っていた。
「あ、男といえば……そういえばだけど七美くんのお父さんって———」
心音が途中まではなし、“お父さん”と言った途端に華の表情が一気に曇った。
(も、もしかして地雷だった……?)
「あ、あー……やっぱりなんでも———」
「そうですよ……そうなんですよ!近々あいつ帰ってくるんですよ!!」
華は小声で叫んだ。
「せっかくお兄ちゃんと二人きりの時間が増えたのにあいつが帰ってきたら少なくなる!」
(お父さんはちゃんと生きているけど、娘さんに嫌われてるんだなぁ…。あいつ呼ばわりて……)
〜〜
とある新幹線内に、一人の男性が座りながら窓の外を眺めていた。
「七美……もうすぐ俺と言う名のお父さんが帰るよ……!」
笹田家の全員集合は間近である。
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