第26話:女装をしよう!③




「よ、よしそれじゃあ次は着替えね…私が小さい頃使っていたので大丈夫よね?」



 私は自分のクローゼットの中を漁り、いくつもの服を取り出した。



「服……服を……」



 今気づいたが…服、勝手に脱がせて大丈夫…?


 途中で起きられて…それで七美に……。



『勝手に服を脱がせるなんて…雪そんな酷い人だとは思わなかったよ!嫌いっ!』



 とか言われたらもう生きていけない…!



「へこたれてんじゃあないわよぉ!!」


「!?」


「この機会を逃したらもう二度と叶わないかもしれないのよ!?」


「泥棒猫……」


「いや、言い方……」



 そうね、失敗を恐れるな、勇気を持て!!



「はいバンザイ」



 泥棒猫が七美をバンザイさせた。


 さして私は七美の服を脱がせた。



 服の下はちゃんと半袖を着ていたが、薄着になったので、可愛らしさが少なくなり、色気が増えた。



「これは…いい!!」


「抜群の破壊力ぅ!」



 二人とも服を着せる前からすでに興奮しきっていた。



 その後は服だけを着せ替えて、ヒャッハーしていたのであった。


 下はさすがに……ということで無しになった。



〜〜



「うーーん……?」



 どうやら眠ってしまっていたみたいだ…。


 なんで寝ていたんだっけ?



 僕はゆっくりと目を開けていった。


 すると目の前には見知らぬ少女が座っていた。



「うわっ!?ど、どうも…ってあれ?」



 慌てて手をワタワタさせた後お辞儀をしたが、動きが全く同じだ…っていうことは…。



「これ僕!?!?」



 茶髪で長い髪を持ち、少し色白になっていたり、服もドレスのようにフリフリしたものがいっぱい付いているものに変わっていた。


 下はズボンのままであった。



「あ!七美起きたのね!じゃあ早速これを履いてちょうだい!!」



 部屋に入って来た雪がいきなり何かを押し付けて来た。



「じゃっ!私は外で待っているから履き終わったら呼んでね!すぐに!!」



 雪は鼻息を荒くしながら外に出ていった。



「履けってこれ…スカートじゃん!!」



 雪から渡されたのは僕が今着ている服と似合うようなスカートであった。


 男の僕がスカートを履くなんて……はっ!?でもこれはミッション!

 ミッションコンプリートしなければ!


 僕はズボンを脱ぎ、代わりにスカートを履いた。



 ううん……スースーする…。


 履き終えた僕は雪を呼んだ。



「じゃ、じゃあ入るわよ……はぅぁっ!!ま、眩しいよ!バ○スより眩しいっ!!」



 雪は部屋に入ると途端に目を押さえながら悶え始めた。

 あと目が…目がぁ!と叫んでいた。



「えっ?雪大丈夫…?」



 今七美がした行動を説明しよう!

 悶える雪に近づき、心配そうに見つめる…しかも上目遣い。ウルウルとした瞳に可愛いドレス……。そしてその時に雪は目から手をどけてしまった。


 相良雪、死亡。死亡原因、萌え死。



「ぶはっ………」



 彼女は最後に鼻血を吹き出し、床へと倒れていった。



「え!?!?雪!?しっかりしてよ!!」


「ど、どうしたの七美くん……んああ!?」



 僕が困っていると春渼さんが来てくれたが最後のほうに変な声が出てような?



「雪が…雪がいきなり倒れちゃったの!春渼さんどうしよう!」


「んんんん!堪えろ…私ぃ…。だ、大丈夫よ?七美くん……。心配いらないわ…。同じ女子として保証するわ。息もちゃんとしてるし」


「そ、そうなんだ…よかったーー」



 とりあえず一安心。



「でもなんで倒れちゃったの?」


「んーとね…それはあれよ…」


「?」


「えええと……(ニマニマ)」



 七美が疑問に思った時に首を傾げたので、心音には大ダメージをくらい、口角が自然と上がってしまっていた。



「女子にはいろいろあるのっ!はい!この話題終わり!それじゃあこの子が起きたら出かけましょ」


「うん!!わかった!」


「……っ!!堪えろぉ…私……」




 最後まで萌え殺そうとした(無自覚)七美であった。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


雪と心音は紳士。

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